米メディアは大谷翔平の2本塁打“復活祭”よりマドン監督の満塁敬遠の珍采配に関心…「裏目」「戦略、データ的に意味のある動きではない」と批判
エンゼルスの大谷翔平(27)は15日(日本時間16日)、敵地のレンジャーズ戦に「1番・DH」で先発出場。第1打席の初球を捉えて開幕32打席目にしての今季1号を放ち、5回にも2号2ランをライトスタンドの中段まで運ぶ“復活祭”を演じたが、ジョー・マドン監督が4回に満塁から仕掛けたまさかの申告敬遠という珍采配に米メディアの関心を奪われてしまった。試合は、エンゼルスが9―6で逆転勝利したが、大谷の2本塁打が吹っ飛ぶほど全米を仰天させた奇策だった。
“400億円男”シーガを満塁で敬遠
敵地のグローブライフ・フィールドが騒然となった。大谷の待望のプレーボール弾でエンゼルスが先行していたゲームだったが、4回に2-3と逆転を許すと、さらに一死満塁と続くピンチに2番の強打者コーリー・シーガーを迎えたところで、マドン監督は、なんと申告敬遠で押し出しの1点を献上したのである。 シーガーは通算105本塁打を誇る左打ちの名ショートで、ドジャース時代の2020年にはナ・リーグのチャンピオンシップとワールドシリーズのMVPに輝き、昨年オフにドジャースから史上6番目の大型契約となる10年総額3億2500万ドル(約409億円)でレンジャーズに移籍したスラッガー。2番手の右腕のオースティン・ウォーレンが、勝負できずに1点を献上して2-4となり、さらに続くミッチ・ガーバーにセンターへの犠飛を許し2-5。なおも2死二、三塁でウォーレンがボークでもう1点を献上して大量失点を防ぐための1失点が3失点となり、結果的に奇策は失敗に終わった。 メジャーでの満塁の申告敬遠は1950年以降では1998年のバリー・ボンズ、2008年のジョシュ・ハミルトンの2度しかなく、そのハミルトンの敬遠もレイズ時代のマドン監督が命じたものだった。 5回に大谷が1点差に迫る2号2ランをライトスタンドの中段にまで運び、さらに続く2番のマイク・トラウトが二塁打でチャンスを作り直し、ジャレド・ウォの同点タイムリー、ブランドン・マーシュの犠飛で一気に5点を奪い返し逆転に成功。7回にも追加点を奪い9-6で勝利したが、全米メディアの話題は、2本塁打を放った二刀流スターの復活祭でなく、マドン監督の珍采配で持ち切りとなった。 MLB公式サイトは「マドン監督がシーガーを敬遠、満塁で?!」との見出しを取り、「マドン監督はメジャーの監督として19年のキャリアを通して慣例にとらわれない考えを持つことで長く知られてきた。だが、金曜日に彼はそれを極端な策として発揮しテキサスの強打者シーガーを敬遠させて4回1アウトでレンジャーズがすでにリードしていたところにさらに1点を献上することを選択した」と報じた。