なぜ”リアル二刀流”大谷翔平は逆転満塁弾を打たれたのか…米メディアの報道と分析で浮き彫りになった理由とは?
エンゼルスの大谷翔平(27)が14日(日本時間15日)、敵地のグローブライフ・フィールドでのレンジャーズ戦に「1番・投手」のリアル二刀流で先発出場、2回に一死からメジャー初となる逆転満塁本塁打を浴びるなど4回途中(3回3分の2)6安打6失点で今季2敗目を喫した。打者としては降板後にDHで出場を継続し9回にライト線に二塁打を放ち、4試合連続ヒットをマークしたが、2三振するなど開幕から自己最長30打席ノーアーチとなった。なぜ大谷はメジャー5年目にして初めてグランドスラムを打たれたのか。米メディアが報じた記事や分析からその理由の一端が浮かび上がってきた。
カウント0-2からスプリッターをヒットされたのも初
“MVP男”が伝家の宝刀を打ち込まれるシーンを誰が想像できただろうか。2点リードの2回。連打を許し無死一、二塁のピンチを招くと、7番のコール・カルフーンはスプリットで三振に斬って取ったが、続くウィリー・カルフーンを四球で歩かせ、すべての塁を埋められてしまった。ここで打席に迎えたのは9番打者のジョナ・ハイム。26歳のスイッチヒッターで、昨季は82試合で打率.196、10本塁打の控え捕手だ。 大谷は2球で2ストライクと追い込んだが、3球目のスプリッターが落ちなかった。ど真ん中の失投をジャストミートされた打球はライナーでライトスタンドへ。逆転満塁弾の行方を目で追った大谷は、悔しそうに2度、3度、クビを振った。 エンゼルスの地元紙オレンジカウンティ・レジスターは、「大谷のピッチングは期待したものではなかった。レンジャーズに5-10で敗れた試合の酷い登板の中で(ハイムに)投じた1球で大谷は初めての残念な出来事をいくつか経験した」と記し、メジャー5年のキャリアで初めて許す満塁本塁打であることに加え、スプリッターを打たれた初の本塁打であり、0-2と追い込んでからのスプリッターが打たれた初ヒットだったことを報じた。 同紙の明かしたデータによると、ここまで大谷が0-2のカウントからスプリッターを投じた打数は「58」あり、ノーヒットで41三振だったという。つまり“無敵のウイニングショット”が初めて打たれる“大事件”だったということになる。 同紙は、エンゼルスのジョー・マドン監督の「彼は絶好調の状態にはなかった。こういうことは起きるだろう」とのコメントを紹介し、「大谷は、この夜を通して少し体の重さを感じたと明かし、それは時差のためかもしれないと示唆した」と続けた。 本拠地のカリフォルニア州からテキサス州へは2時間の時差があり、大谷にとって今季初の遠征試合だった。