和田毅さん「いろんな方に知ってもらいたい。もっと大きな輪に広げていきたい」―DREAM BRIDGE DAY 2024―
12月22日、「DREAM BRIDGE DAY 2024」というイベントが東京都大手町で行われました。ライフキネティックトレーナーの肩書きもヤキュイク編集部スタッフも「アクティビティ監修」としてこのイベントに参加しましたので、当日の様子を紹介したいと思います。 『NPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション』(以下、BLF)のホームページ(https://blf.or.jp)にはこんな記載があります。 <アメリカでは、「スポーツを行う機会を提供することにより、少年少女を正しい道へ導くことができる」とデータ上で証明されています。(中略)*米ニューヨーク・ハーレム地区の子どもの約58%が高校を中退してしまうのに対し、メジャーリーグが支援するこの地区の少年少女野球リーグ「HARLEM RBI」の子どもたちは96%が高校を卒業し、93%が大学の入学許可を得ている(BLF調べ/2013年)等> 日本でも2020年からBLFにより、ひとり親家庭、児童養護施設、里親家庭で暮らしていたり、災害などにより野球用具を紛失、破損してしまった小中学生の球児たちに野球用具などを支援するプロジェクト『DREAM BRIDGE』がスタートしています。 2020年から2023年までの4年間で17名の球児を支援し、2024年は新たに6名の球児を支援。その活動はプロ野球選手・OB、スポンサー企業だけではなく、「寄付・会員」制度による多くのサポーターからの募金という形で支えられています。 このプロジェクトに中心的な役割で関わっているのが、今シーズンでユニフォームを脱いだ和田毅さん。 この日集まったメンバーは和田さんの他、元東京ヤクルトスワローズの館山昌平さん、女子プロ野球選手の吉田えりさん、イチローさんのものまねでおなじみのニッチローさんの4人。 イベント開始前には、今年支援を行った全国の子ども達とオンラインでの交流会が行われました。 参加者のなかには一年ぶりの再会となる少年がいました。彼は昨年も支援を受けていましたが、今年1月の能登半島地震で野球道具を失ったため、『DREAM BRIDGE』として改めて野球用具一式を支援していました。彼からは転居先での新しい環境、学校に馴染めず友達もできなかったが、野球チームに入ったことによって友達ができ、野球をきっかけに学校にも行けるようになったという嬉しい報告がありました。 また、今年は石川県輪島市にある『輪島フェニックス』の子ども達とも交流を行いました。同市は地震の被害が大きかったことにより、少年野球チームの多くが部員不足、用具不足となり、合同チームとして新たに誕生したのが『輪島フェニックス』。そんなチームにまだ用具が足りていないという話を伝え聞いた和田さんが、野球用具一式などを寄贈していたことから、この日のオンライン交流に繋がりました。 「野球ができる環境を少しでも作ってあげられたら、という気持ちで支援をさせていただきました。辛いこと、悲しいこととかもたくさんあると思うんですけど、野球をやっているときだけでも子ども達が笑顔になってくれれば」と和田さんは被災地域の子どもやチームを支援したことについて話しました。 18時からイベントが始まると、この日集まった70人余りのサポーターと和田さんたちが『ライフキネティック』で交流。『ライフキネティック』とは、和田さん自身が今年の自主トレにも導入した脳と身体の連動性を高めるストレッチで、「自分の体を思ったようにコントロールできない」ことがミソの、笑いが絶えないゲーム感覚で楽しめる脳トレーニング。 初めは全員が同じメニューを体験し、次は二人一組となり、最後は4チームに分かれてのチーム対抗戦。キャプテンを務めた和田さんや館山さんが思い通りに体を動かせずに苦戦する姿に会場は大盛り上がり。サポーターとの交流を楽しみました。 イベント最後のトークショーでは館山さんがMCとなり和田さんを質問攻め。現役時代のことや今後のことについて鋭く質問する館山さんに和田さんがタジタジになる場面もあり、こちらも大盛り上がり。最後は和田さんが『DREAM BRIDGE』の活動意義を語り、「もっともっとこの活動を広げていきたいし、いろんな方に知ってもらいたい。もっと大きな輪に広げていきたい」と話して、この日のイベントは終了しました。 まだまだ知らない人が多い『DREAM BRIDGE』プロジェクト。 ひとりでも多くの子ども達が野球を続けられるために、いま私たちにできること―― それは、募金はもちろんですが、このプロジェクトのことを一人でも多くの野球仲間たちに教えることなのかもしれません。 (取材・記事:ヤキュイク編集部/写真提供:BLF)
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