横浜市長選で争点に そもそもIRとは? 横浜市の動きと国のスケジュール【図解】
横浜市長選が8月22日に投開票されます。現職を含む8氏が立候補し、論戦を繰り広げていますが、主な争点の一つとなっているのが統合型リゾート(IR)をめぐるスタンスです。IRをめぐる横浜市の動きと国で想定するスケジュールについて、まとめました。 【図解】横浜市長の権力と魅力 なぜ多彩な顔触れが立候補するのか
●「カジノを含む」統合型リゾート
IRは、法律上は「特定複合観光施設」といいます。2018(平成30)年7月に成立したIR整備法(特定複合観光施設区域整備法)では、主に以下のような施設群で構成すると位置づけています。 ▽国際会議場、国際展示場といったMICE(マイス)施設 ▽日本の魅力を増進する施設(伝統文化や芸術などを生かした公演など) ▽ホテルなど宿泊施設 ▽観光客の滞在を促進する施設 ▽カジノ施設(延床面積が全体の3%以下) これらの施設が、民間事業者によって一体的に設置・運営されることを想定していて、新聞などでは「カジノを含む統合型リゾート(IR)」との表現が使われています。 誘致を目指す長崎県のホームページでは「(IRとは)老若男女を問わず家族でも楽しむことが出来るテーマパーク、劇場、映画館、ショッピング・グルメモール、温泉・スパ施設、スポーツ施設、会議場施設、展示施設、ホテルなどにカジノを含んだ施設」と説明しています。
●石原都政、橋下府政時代に構想
カジノをめぐっては、東京都の石原慎太郎元知事が1期目に「お台場カジノ構想」を打ち出し、後を継いだ猪瀬直樹氏も前向きに検討していました。 大阪でもカジノ誘致の動きは活発で、橋下徹知事時代の2010年にIR誘致の検討が始まり、2014年には府と市による立地準備会議で湾岸部の夢洲(ゆめしま)を軸に候補地とする方針を決めています。 安倍晋三政権時代にはアベノミクスの成長戦略の一つとしてIRが位置づけられ、2014年に閣議決定された「成長戦略」で「関係省庁において検討を進める」ことが明記されました。カジノはそもそも刑法の賭博罪などで禁止されていたため、カジノ解禁に向けた法整備が国会で進められ、2016年12月にはIR推進法が、2018年7月にはIR整備法が成立しました。