横浜市長選で争点に そもそもIRとは? 横浜市の動きと国のスケジュール【図解】
●8候補者もIR誘致めぐり意見分かれる
IR誘致をめぐっては、さまざまな意見があります。「ハマのドン」といわれる横浜港ハーバーリゾート協会の藤木幸夫会長は、市長選告示を前に開いた8月3日の記者会見(東京・外国特派員協会)で「横浜でカジノはやらせません。絶対やらせません」と述べ、山下ふ頭へのカジノ誘致に反対する意思をあらためて表明しました。 横浜市が市民向けに開いた説明会では、出席した市民から、ギャンブル依存症や治安悪化への懸念のほか、IRの経済・社会的効果に関する数字の根拠や期待する税収効果の実現性への質問も投げかけられました。 横浜市長選に立候補している8氏のうち、IR誘致の推進を表明している候補は現職の林文子氏と元衆院議員の福田峰之氏の2氏です。福田氏は自身のホームページで「IR誘致がもたらした財源によって」快適な子育て環境が整うとする“横浜市の未来絵図”を示しています。 一方で、反対の意向を表明しているのは、元横浜市議の太田正孝氏、元長野県知事の田中康夫氏、前国家公安委員長の小此木八郎氏、元横浜市立大教授の山中竹春氏、前神奈川県知事の松沢成文氏の5氏です。 それぞれ自身のホームページで、太田氏は「カジノは神代の時代からやってはならないとされていました。人の射幸心を刺激し、勤労意欲を失わせて人格を破壊します」、田中氏は「カジノは地元経済に寄与せず。巨大資本が利益を吸い上げ、宿泊も食事も建物・敷地内で独り占めするカジノ計画」、小此木氏は「多くの市民が反対しているIRではない“新たな成長戦略”を打ち出していかなければなりません」、山中氏は「カジノ誘致を即刻撤回、断固阻止」「それに代わる山下ふ頭の開発案『ハーバーリゾート構想』を実現」、松沢氏は「ギャンブル中毒、治安悪化、パシフィコ横浜との二重投資、住民投票拒絶など問題だらけ。『カジノ禁止条例』で絶対阻止!」と訴えています。 水産仲卸業社長の坪倉良和氏は、IRの是非には触れずに「山下ふ頭を食のパークに ~市場・マルシェ・食の学校~」と掲げています。