日銀・黒田総裁会見9月17日(全文3完)途中で辞めるつもりはない
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の17日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀、大規模な金融緩和策を維持 黒田総裁が記者会見(2020年9月17日)」に対応しております。 【動画】日銀、大規模な金融緩和策を維持 黒田総裁が記者会見 ◇ ◇
任期を全うする考えか
共同通信:共同通信の【イノウエ 00:50:24】と申します。前総理の安倍さんが退任を表明したときに、市場の一部で黒田総裁も一緒に身を引くんじゃないかというような観測も一部出たかと思うのですが、大変失礼な質問なんですが、残りの任期かなりありますが全うされるお考えでしょうか、今後の政策運営への意気込みも含めてよろしくお願いします。 黒田:確か私の任期はあと2年半ぐらい残っていると思いますが、何か途中で辞めるというようなつもりはありませんが、将来のことについてあまりいろんなことを言うのもどうかと思いますので、任期を全うするつもりであるということは申し上げられると思います。どうぞ。
設備投資の先行きをどう見ているのか
ロイター通信:いいですか、すいません、ロイターの木原ですけれども、2問お願いします。まず1点目は設備投資の先行きについてなんですが、今回、少し判断、前回よりは慎重になっていて、やはり実際の指標を見ても、少し設備投資に企業収益の落ち込みの影響が出ているように思うのですが、この弱さについて先行きの経済を見る上でどうお考えなのか。中長期的な成長期待が低下してマインドが萎縮するっていうのが日銀が考えているリスクの大きな要因の1つだと思うので、そういう観点からお願いしますっていうのが1点目です。 2点目は、これが菅総理が言っているというよりは、かねてより必要といわれている規制改革なんですが、今回、菅総理がそこを頑張ってやるということで強調されています。ただ、そうした痛みを伴う改革というのは、やはり景気がいいときでないとなかなか進めにくいっていうのがこの人の見方だと思うのですが、そうした改革っていうのを今後、コロナで景気が厳しい状況が、場合によっては数年続く中、遂行することの蓋然性っていうか、経済の成長への影響、やはり長期的には必要っていうことで今やるべきなのか、その辺りについてご見解があればお願いします。 黒田:設備投資につきましては足元、若干減少しているということは事実であります。今年度あるいは来年度の設備投資がどうなるのかっていうのは、今後の短観を注意深く見ていく必要があるというふうに思っています。ただ、現時点ではGDPとか企業収益の大幅な落ち込みに比して数%ぐらいということで、それほど大きくないわけです。 それから、アネクドートですけども、多くの企業はやはり研究開発投資とか、それから物流施設への投資とか、さまざまな投資は引き続き行うという意図を示しておられますし、また、先ほど来申し上げているようなウィズコロナっていうか、ポストコロナですね。新しい投資のニーズっていうものも出てくるわけであります。 ただ、他方で企業収益がいったん非常に大きく落ち込んでいますので、これが今後、生産の回復とともに徐々に回復してくるとは期待しておりますけれども、その企業収益の回復の程度はどの程度になるかっていうのは、やはり長い目で見ると設備投資にも影響しうると思いますので、その辺りは見ていく必要があると思いますが、現時点では何か中長期的な成長見通しが大きく下がったとか、それから将来のための投資ももうちょっと棚上げにしようとか、そういう動きにはまだなってないというふうに思っております。