監督交代させたセレッソ大阪の強化方針にドタバタ矛盾
今シーズンのJ1リーグで最も活躍した若手選手に贈られる、新人王にあたるベストヤングプレーヤー賞に21日、セレッソ大阪のDF瀬古歩夢(20)が選出された。 ベストヤングプレーヤー賞は当該シーズンの12月31日時点において満21歳以下で、なおかつリーグ戦で17試合以上に出場した選手が対象となる。今シーズンは26人のホープがノミネートされ、18を数えるJ1クラブの監督および選手の投票をもとに、Jリーグの村井満チェアマンを委員長とする選考委員会がセンターバックとして27試合に出場し、2217分間プレーした瀬古を選出した。 YBCルヴァンカップで最も活躍した若手選手に贈られるニューヒーロー賞と、同一シーズンにダブルで受賞した史上4人目の選手となった瀬古は、招集されているU-23日本代表候補合宿先の千葉県内からオンラインで対応。セレッソからは2013シーズンのFW南野拓実(現リヴァプール)以来となる受賞に「僕自身、狙っていたので素直に嬉しい」と初々しい声を弾ませた。 「昨シーズンに比べてコンスタントに試合に出場できたことが、今回の受賞につながったと思っています。自分の課題であった対人における強さを上手く発揮できたのかな、と」 小学生年代からセレッソの下部組織で育ってきた瀬古は、高校3年生だった2018年10月にプロ契約。J1リーグでデビューを果たした昨シーズンの13試合、1085分間を大きく伸ばしたなかで、身長183cm体重72kgのボディに宿るポテンシャルを急速に開花させた。 しかし、2年間にわたって瀬古を辛抱強く起用し続けてきた、スペイン出身のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は契約満了に伴い退団。来シーズンからは清水エスパルスを率いることが決定的になっている。堅守をベースに昨シーズンはリーグ戦で5位、今シーズンは4位に導き、サポーターにも支持されている63歳の知将に託してきたチーム作りを、セレッソはなぜ急停止させたのか。 「(ロティーナ体制の)継続も含めて考えてきましたが、中盤戦以降で連敗を何度か喫し、勝ち切れない状況が続いたなかで、アカデミーの方向性をしっかりと正していくタイミングで、トップチームもそのような形でチャレンジしていこうと決めました」 今シーズン終了を受けて20日にオンラインでメディアに対応した、森島寛晃代表取締役社長が言及した「アカデミーの方向性」とは、技術委員長就任がすでに発表されている、川崎フロンターレおよび名古屋グランパスの監督を務めた風間八宏氏を指している。