荻野目洋子も参戦…カジュアルおばさん&ロックTおばさんを笑うな!「おば揶揄」が炎上するワケ
カジュアルおばさんの受け持つタスク
SNSにカジュアルおばさんを寿ぐポストをしたところ、内心バカにしているんじゃないかとか、女性への無償労働の押しつけを正当化しているのでは、という意見も寄せられた。その反応も理解できる。 カジュアルおばさんの受け持つタスクは、実はものすごく多岐にわたる。中には重労働もあり、感情労働も多い。多くのカジュアルおばさんは細切れにしか「自分時間」が持てない。下手するとビジネスパーソンのようにオーディブルやポッドキャストを聴くような通勤時間すら、ない。時短とか、近所でパートとか、そういう勤務形態だからだ。 家の中の見えない家事も、あらかたカジュアルおばさんが引き受けている。業務分掌したくても、細々としすぎていて、よほどパートナーに高いモチベーションがないと引き継ぎ困難なのである。
煩雑でささやかな「無償労働」たち
いま、専業主婦率は23%(令和3年度・内閣府調査)まで下がっている。おばさんたちは仕事の残余の時間に、お弁当箱のすきまにミニトマトとブロッコリーを詰めこむがごとく、日々変わっていく、家庭、地域、子どもについての不定形雑務をこなしていく。 通院、予防接種、各種書類に記入し提出、絵の具セットの名前つけ、捺印、衣替え。習い事のお月謝袋はいまだ現金が多く、引き落としやカード決済にできない。また学校からはある日突然に「明後日までにラップの芯を」とオーダーが入る。そんなに素早くラップを使い切るのは不可能だ。誰かが病気をすれば、確定申告時期の医療費控除の計算なんかも発生する。実家や義実家の父母に何かあれば相談にも乗る。 地域やPTAの仕事もある。コロナを機に随分と簡略化されたし、クラウドで書類を引き継ぐPTAも増えてはきている。ベルマーク収集はすっぱりやめた学校も多い。それでも交通安全の見守りや、バザーやお祭りなど、子どもの安全のためなら、子どもの楽しみのためなら、と残っているイベントや仕事も多い。 ひとつひとつを見ればたいしたことがないかもしれないが、煩雑である。時間がかかる。ヌケモレなくやったところで誰も褒めてはくれない。それでも音を上げない。それがカジュアルおばさんだ。終わったらささやかにノンアルで乾杯するのみ。いや、カジュアルおばさんだけではない。多くの「おばさん」達がこういった無償労働に従事してきた。