ふるさと納税は「節税」にならないって本当ですか? ここ数年「おいしいものも食べられてお得だな」と思っていたのですが、控除などでお得になっていたのではないのでしょうか?
ふるさと納税をすると節税になるという話を聞き、実際に行っている人も、これからやってみたいと考えている人もいるでしょう。しかし、ふるさと納税はお得な制度ではありますが、厳密にいうと「節税」となる制度ではありません。一体どういうことでしょうか? 本記事ではふるさと納税の仕組みをわかりやすくお伝えし、なぜふるさと納税は節税とはいえないのか、それでもなぜふるさと納税はお得なのかを解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
ふるさと納税の本来の趣旨は?
本来のふるさと納税の意義は応援と納税の選択です。私たちは住んでいる自治体に対して住民税を支払い、住んでいる自治体がそのお金を使います。 これをどこの自治体に住民税を納付するかを一部選択できるようにしたのが、ふるさと納税です。ふるさと納税の制度を使えば、故郷や自分が応援しているスポーツチームの本拠地、学生時代お世話になった地域など、自分が応援したい自治体に納税する自由が与えられます。 「応援したい地域Aに2万円分、地域Bに1万円寄付をすれば、住民税を3万円控除します(安くします)」というのがふるさと納税の仕組みです。これは実質的に自分の住んでいる地域に払うべき住民税を応援したい地域に払っているのと同じといえます。 なお、ふるさと納税で寄付をしたうち、2000円分は控除の対象外となるルールなので、実際に控除される金額は2万8000円で、最低でも2000円の負担が必要です。 したがって、ふるさと納税自体は、納税する地域を一部自分で選べるだけで、節税にはなりません。むしろ2000円の支払いが発生するので、寄付金と控除だけを見るとマイナスの制度です。
節税ではないのにふるさと納税がお得な理由は?
それでもふるさと納税がお得なのは返礼品がもらえるからです。さらにふるさと納税でポイントをもらえることがあります。 ■納税額の最大30%相当の返礼品がもらえる ふるさと納税をすることで地域の特産品やサービスを返礼品としてもらえます。これが「ふるさと納税はお得」といわれる理由です。 返礼品として許されるのは、寄付金額の30%相当のものまでとされています。つまり地域Aに2万円寄付をすることで最大6000円相当、地域Bに1万円寄付することで3000円相当、合計9000円相当分の返礼品が、2000円でもらえるのです。 節税ではありませんが、返礼品を受け取ることでトータルすればお得となります。 ■寄付をすることでポイントがもらえる ふるさと納税サイトの作りは、一般的な通販サイトと類似しており、「寄付金額の◯%ポイント還元」といった具合にポイントをもらえることも少なくありません。また、クレジットカードを使って決済することで、クレジットカードのポイントももらえます。 ポイント還元率が10%を超えることもあり、仮に10%ポイントであれば、地域Aに2万円寄付することで2000円分、地域Bに寄付することで1000円分ポイントがもらえ、返礼品と合わせてさらにお得です。