Jリーグで19クラブが単年赤字…どう読み解けばいいのか?
42%という数字は何を物語っているのか。2019シーズンを戦った55のJクラブのうち、昨年度決算が確定している45クラブの経営情報が27日にJリーグから先行開示され、J1で5つ、J2で6つ、J3で8つと全体の約42%にあたる、合計で19ものクラブが単年度赤字を計上した。 Jリーグは2012年度からクラブライセンス制度を施行。競技、施設、人事体制・組織運営、法務、財務の5分野で審査基準が設けられたなかで、特に財務では3期連続の単年度赤字または債務超過に陥った時点でクラブライセンスが剥奪され、退会を勧告される厳しいルールが順守されてきた。 2013年度決算分からメディア向け説明会を実施し、経営情報が開示されてきたなかで、単年度赤字を計上したクラブ数は今回が最多となる。それでも、Jリーグクラブライセンス事務局の村山勉クラブライセンスマネージャーは、オンライン形式で行われた説明会で問題なしを強調した。 「我々としては各クラブの赤字がイコール、よい事象ではないとは考えていません。なので、クラブライセンス制度上で、我々の方から何かを言うものではないと考えていただければと思います」 理由を探っていく前に単年度赤字を計上したクラブと金額を確認しておきたい。J1は北海道コンサドーレ札幌(1億4900万円)、ベガルタ仙台(4億2800万円)、名古屋グランパス(1億6800万円)、セレッソ大阪(2億8300万円)、情報が開示されている2005年度以降では歴代で最多となる、20億1400万円もの巨大赤字でサッカー界を驚かせたサガン鳥栖となる。 J2はヴァンフォーレ甲府(500万円)、FC岐阜(7000万円)、京都サンガF.C.(2400万円)、愛媛FC(7500万円)、アビスパ福岡(1億700万円)、FC琉球(3400万円)の6クラブ。 そしてJ3はいわてグルージャ盛岡(4900万円)、ブラウブリッツ秋田(800万円)、福島ユナイテッド(3500万円)、AC長野パルセイロ(2800万円)、カターレ富山(2600万円)、藤枝MYFC(8300万円)、ガイナーレ鳥取(4200万円)、そしてカマタマーレ讃岐(2400万円)の8クラブとなる。