電撃辞任でファンも選手も「中嶋ロス」歴史に残る名将、オリックス・中嶋聡が選手時代に味わった「知られざる苦悩」
2024年の日本シリーズでは、横浜DeNAベイスターズが福岡ソフトバンクホークスを4勝2敗で下し、26年ぶりの日本一の栄冠を手にした。その一方で、今年は阪神、中日、楽天、オリックス、西武の5球団の監督交代が発表されている(※11月25日現在)。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 球界を盛り上げた監督たちに敬意を表しつつ、彼らの功績や苦悩について、ライターの長谷川晶一さん、村瀬秀信さんに振り返ってもらった。 【前編はこちら】『令和でもその「厳しさ」は通用した…38年ぶり阪神日本一を成し遂げた名将・岡田彰布「マネジメント」の極意』
意外すぎた電撃辞任の理由
村瀬:第4回は、最下位だった2020年からリーグ3連覇、そして1度の日本一へと導いた、オリックスの中嶋聡監督について。中嶋さんは今シーズン最終戦後に電撃辞任を発表されましたが、退任に際して「優勝後のチーム内の気の緩みが改善されなかった」と理由を率直に語り、話題を呼びました。 長谷川:阪神の岡田彰布監督も退任するにあたり「選手が話を聞かない、ぬるま湯に浸かるとすぐ緩む」というコメントを出していましたが、中嶋さんも全く同じようなことをおっしゃっています。時代のせいにしちゃいけないんでしょうが、上の世代にとって、若手選手をマネジメントすることへの難しさを感じましたね。 岡田さんは、1年目は厳しさでチームを立て直しましたけど、2年は続かなかった。今年退任されたのは、体調がすぐれないからだけではなく、ご本人の中で中嶋さんと同じようにモヤモヤしている部分があったような気がするんですよね。 村瀬:ぼくは、今回退任される監督のなかでは中嶋さんが一番名将だと思っています。2020年8月に西村徳文監督が辞任したあと、二軍監督から昇格されてきたわけですが、こういう経緯でここまでの監督になられた方ってほとんどいませんね。 長谷川:2021年と2022年の日本シリーズはヤクルト対オリックスの同カード。2021年はヤクルトが勝って日本一となりましたが、翌年はリベンジされて悔しい思いをしました。ただ、このときの中嶋さんの采配は本当に見事でしたよ。