【中学受験】「1月受験で全敗、どうしたらいい?」→専門家が勧める立て直し戦略と「絶対やってはいけないこと」
1月から始まる千葉県や埼玉県の中学入試。1月入試を本命校の「予行演習」にするか、集中して勉強を続けるべきか、悩む保護者も多い。特に子どもの性格や学力に応じて、1月の活用法は大きく変わる。幼児から高校生まで教える人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表の連載第7回は、自信過剰なタイプ、不安が強いタイプなど子どもに適した対策や2月本命校に向けた最適な準備法を徹底解説する。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意) 著者プロフィールを見る ● 本命校以外に受験する 1月入試の活用法 1月に入ると順次、千葉県、埼玉県内の学校から、中学入試が始まります。保護者の方からよくご相談いただく悩みとして、1月にある本命校以外の入試をどう活用するかというものがあります。 本命校が2月なら、下手に1月に受験するより、普段通りに勉強しておいたほうがいいのか、それとも1月に本命校とは別の学校を受験して、予行演習をしたり、合格体験をさせたりしておくべきなのか。 子どもの調子次第では、合格を経験するつもりで受けた学校で不合格になってしまう可能性もある。やはり受けない方がいいのか……。この判断に迷われる方が多いのではないでしょうか。 実は子どものタイプによって、1月入試をどのように「活用」すべきかという戦略は大きく変わってきます。調子に乗りやすいタイプなのか、自信過剰なタイプか、はたまたプレッシャーに弱く、ちょっとしたことで自信を失いがちなのか。 今回は、1月入試をどのように迎え、子どものタイプ別にどのように受けたらいいのか、その考え方と対策を伝授します。
● 1月の入試と2月の入試は 独立した別物と考える まず、関東の中学入試の大まかなスケジュールを確認しておきましょう。1月10日から千葉県と埼玉県の入試が始まり、2月1日からは東京都と神奈川県の入試が本格的に始まります。 ここで忘れてはならないのは、それぞれの入試は完全に独立しているということ。当たり前の話ですが、たとえ1月の結果がよくても、それが2月の合否に直接影響することはありません。12歳の子どものメンタルは、良くも悪くもそんなに安定していないものです。1月に受けた結果がどうであれ、1月の入試と2月の入試はそれぞれ連続性のない別ものとして、その都度新たな気持で臨んで下さい。 概して合格というのは、誰にとっても気分のよい経験です。たとえば、地方の学校を受験して、親からすれば、通学距離的に現実的に通えない学校だと考えていても、子どもにとっては合格すれば浮かれるのは当然です。苦しい受験勉強の中での一つの達成点に「よく頑張ったね」と褒めてあげることは重要です。 2月に本命校の受験がある場合、1月の入試でもし1勝1敗くらいの結果だった場合、その1敗について気にする必要はありません。2月の入試に向けて十分に充実した気持ちで臨むことができます。 ただし、1月の「全敗」はできれば避けたいところです。全敗している場合は、急遽1月中に受かりそうな学校を探して、どこかで合格を取らせることを検討しましょう。 2月入試への影響を避けるため、落ちても受かっても、合格発表の結果を子どもに隠すという話を聞くことがありますが、これはあまりお勧めできません。子どもは大人が考えている以上に感覚が鋭敏です。親の様子から容易に合否を察し、却って邪推を生むことにもなりかねません。この時期に不用意に親子関係を悪くするのは本末転倒。むしろ結果をオープンにした上で、1月の結果を踏まえて2月の試験に有効に活かしていくことが大切です。