【中学受験】「1月受験で全敗、どうしたらいい?」→専門家が勧める立て直し戦略と「絶対やってはいけないこと」
● 1月受験で全勝した場合 勝って兜の緒を締めよ 1月の入試ではからずも全勝した場合は、かえって注意が必要です。12歳の子どもは、自信が過信や慢心にすぐに変わってしまう傾向があります。また、保護者の方もどうしても安心してしまい、気が緩んでしまいがちです。 1月全勝で2月も全勝というのは、実は相当難しいものです。2月に向けて意識的に1月の浮かれた気分を「リセット」する時間を設ける必要があります。 具体的には、まず、過去の悪い成績の模試を振り返るのが有効です。たとえば、年間10~15回程度の模試があるとすれば必ず調子の悪かった回があるはずです。「あなたは調子がよければこのくらいだけれど、調子が悪いと、このくらいのときもあったでしょう」と言いながら、できなくて悔しかった気持ちを思い出させてあげるのです。 志望校の難しい過去問にチャレンジさせて、やはり、入試はそうそう甘いものではないと再認識させる方法もあります。いずれにせよ、子どもは、悔しい結果にならないように、2月まで、もう一度気を引き締めて勉強しようという気持ちになるでしょう。 子どもが頑張って、せっかく合格して、よい気分になっているのに、それをぶち壊すようなことをするのは、しのびないかもしれません。しかし、これは、結果的に慢心をひきずって、本番で失点するのを防ぐためにぜひとも必要な「ショック療法」です。 大人の仕事のミスなどでも同じことが言えると思いますが、あまり余裕を持ちすぎると、こけてしまうこともあります。ギリギリの勝負をすることで、かえって強くなれることもあります。 なお、ときどき親の転勤などで、繰り上がり合格が生じる場合があります。それを題材にしたフィクションもあります。しかし、繰り上がりには期待を持たないのが賢明です。中学入試の場合、大学受験などに比べ、人数の読みが相当に正確です。万にひとつ、繰り上がりがあるとしても、全ての入試の発表が終わった2月7日以降になることがほとんどなので、間違っても受験計画の中に入れてはいけません。 不合格の通知を受けたなら、「繰り上がりはないもの」として考え、目の前の入試に集中して下さい。未練がましい気持ちを引きずることは、次の入試にマイナスの影響を与えかねません。