【中学受験】「1月受験で全敗、どうしたらいい?」→専門家が勧める立て直し戦略と「絶対やってはいけないこと」
子どもの受験を見守る保護者も、メンタル面が通常ではなくなるのはある意味仕方のないことです。しかし、できるだけ平常心を保つ努力をしましょう。1月入試の結果がどうあれ、それを受け止めて2月に生かす計画を練るのは親がある程度安定した精神状態でなければできません。こればかりは、「親御さんは頑張って下さい」としか言いようがありません。「俳優のような演技」が必要になることもあります。 一喜一憂しないというのは難しいものですが、ひとつ気をつけることがあるとすれば、「どこが第一志望で、どこが滑り止め」などという順位付けを子どもの前で言わないことです。 そして、毎回受けるひとつひとつの学校に対して、そのときそのとき全力で取り組み、それぞれの学校に対して、十分な敬意を持つこと。 2月の入試を見据え、長期プランを頭に描きながらも、まずは毎回毎回の眼の前の受験に集中すれば、精神も安定しやすくなり、ひいてはお子さんもその影響で、安定した気持ちで受験することができるでしょう。 ● ベッドから出てこられなくなる子も 1月入試はメンタル面の観察と対策 1月入試は、もちろん子ども自身が、実際の入試を経験するという点でも重要ですが、もうひとつ重要な役割があり、それは子どものメンタル面の観察ができることです。 1月入試の結果が仮に悪かった場合、その不合格から立ち直るまでにどのくらい時間がかかるか。次の日の学習にどの程度影響が出るか。通常のルーティン学習を継続できるかなどを、親は冷静に観察しておいて下さい。これが2月に複数校を受けるにあたって、格好の判断材料になります。 まれに、落ち込みが激しく、ベッドから出てこられなくなってしまう子もいます。そのような場合は、早めに塾の先生に相談することをお勧めします。2月の受験方法の見直しを含め、具体的なアドバイスをもらえるはずです。 基本的には、たとえ不合格になってもルーティンの学習は続けた方が良いのですが、場合によっては気分転換も必要です。その判断も、1月の入試で見えてくるポイントの一つです。 すべての受験生が、ミクロな差異の中で競い合っています。基本的に同じようなレベルの人同士が受験しているわけですから、受かるのも落ちるのも紙一重。これは偏差値はあまり関係なく、40でも、50でも、60でも、70でも同じようなことが当てはまります。だからこそ、1月入試を通じた、そして子どもひとりひとりの性格に合わせたメンタル対策が必要になってくるのです。 子どもの成長は、受験期に如実に表れます。不合格になった場合に、それをしっかり受け止められるのか、気持ちを切り替えて、次に向けて立ち上がれるのか。そうしたことも含め、子どもの成長を見極めながら、最期の入試日程まで、伴走することが保護者の大切な役割です。1月は単に入試結果に対して一喜一憂するのではなく、子どもの反応、成長をよく観察し、そこで得られた反省点を2月の受験に生かして下さい。 そして、どんなにたくさんの学校を受けて、仮に複数の合格を得られたとしても、結局進学できるのは一校だけです。逆に言えば、多くが不合格であった場合でも、最終的にどこか一校に受かればよいのです(もちろん公立に行くという選択肢も含めてです)。 偏差値がいくらであろうと、前述したとおり、受ける学校にはすべて敬意を持って臨んだ結果、「ご縁のあった学校」に進むのだと考え、どうか悔いのない受験計画を立てて下さい。
富永雄輔