ホンダ新型「CR-V e:FCEV」が凄かった! メリットしかない“理想のシステム”を公道で試乗
大改造せず「CR-V」の“土台”を活用出来た理由とは
新型CR-V e:FCEVに搭載されるFCスタック(燃料電池システム)は、アメリカのGM(ゼネラルモーターズ)との共同開発により生み出されたものです。 時差が大きく、言語や企業文化の異なる中での開発は多くのさまざまな苦労をともなったものの、時差があるからこそ、まさに24時間体制で進化させることができたと開発担当者は述べています。 その甲斐あって、新開発のFCスタックは従来に比べてコストは3分の1、耐久性は2倍以上を実現できました。
さらに低ハイトでコンパクトなギアボックスを新開発し、駆動用モーターとともに、FCスタックシステムを中心としたパワーユニットをボンネット下に一体化して搭載することができたのも、大きなブレークスルーのひとつです。 これにより、ガソリン車のエンジンマウントをそのまま使うことが可能となりました。 専用プラットフォーム化することなく、FCEVのさらなる普及を見据えて既存のCR-Vのプラットフォームを活用するとともに、軽快な走りとNV性能の向上を図ることもできました。 なお同システムを搭載するため、新型CR-V e:FCEVはベース車に対し、フロントオーバーハングを120mm伸ばした専用のデザインとされ、ボディサイズは全長4805mm×全幅1865mm×全高1690mmとなっています。 大容量のIPUバッテリーは既存のPHEVと同じく床下に、水素タンクは居住性、走行安定性、衝突安全性などへの配慮からリアシート下部と背面側に計2本が配置されています。 トランクが狭くなるのを逆手にとり、フレキシブルボードを活用して新しい使い方ができるように工夫されているのもポイントです。 そのあたりが大いに評価されて、新型CR-V e:FCEVは「日本カー・オブ・ザ・イヤー」部門賞である「2024-2025 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞することができました。