心が疲れきってしまったときは…自分の思考のクセ=スキーマを知ってストレスに対処。
「もっともっとほめられたい」タイプ
「ほめられたい」という気持ちは、承認欲求のひとつ。生まれつき人に備わっている欲求で、好きな人に「すごいね!」とほめられるのは、人を動かす原動力にもなる。 SNSの「いいね」もほめられ欲求を満たしてくれるが、いきすぎて「人の評価がすべて」になると、「ほめられたいスキーマ」タイプかも。常に他人の評価に一喜一憂していると対等な人間関係は築きにくい。
ストレス対処法、コーピングに挑戦してみよう。
ストレスをそのままにしないで、意図的に対処することを「コーピング」という。アメリカの心理学者リチャード・S・ラザルスが考案し、’80年代に広まった心理学専門用語。 「体調の変化や気分の変化など、ストレスに気づくことが、コーピングのとっかかりになります。自分に問いかけて、何が不快なのか、どんなときにしんどくなるのかを細かく書き出します。大切なのは、いいのか悪いのかジャッジしないこと。ありのままの気づきを受けとめてください」と伊藤さん。 心がくたびれていても、自分のことは後回しになりがちだが、 「そういうときは、セルフコンパッションといって、ほかの人が苦しんでいるときにどうするかを思い浮かべます。体調が悪そうな人を見かけたら、大丈夫?と声をかけていたわるでしょう。同じように自分のことを思いやってあげてください」 ストレスを書き出して可視化できたら、心を落ちつけるセルフケアや具体的な対処法をリストにしよう。 「ネイルを塗り替えるのも気分が上がるし、公園を散歩するだけでもいいのです。とはいえ、ストレス発散しようとショッピングで散財すると、さらなるストレスになるので要注意」 自分だけのコーピングレパートリーを日々更新しておきたい。
何がストレス? 自分の心を見つめて書き出そう。
まずは今の自分のストレスに気づくことが第一歩に。「自分に問いかけて、具体的に書き出します。ストレスの原因が苦手な相手なら、『批判的な口調が気に入らない』『タバコ臭い』『卑屈な性格にうんざり』など、その人のどんなところがストレスなのかを具体的に箇条書きにします。できるだけ正直に、思ったままでかまいません」 (例) ・部長はいつも気に入らないことがあると怒鳴る。 ・混み合った電車で人の体臭が気になる。 ・会社の同僚が、誰かの悪口で盛り上がっている。 ・片づけても片づけても、部屋が散らかる。 ・義実家の駅が近づくと、鼓動が速まる。 ・ハロウィンやクリスマスのイベントが憂鬱。 [書き出してみよう]