「NMB時代のやり方」では越えられない壁が次々と……山本彩が歩む“自分だけの道”を切り拓く旅
積み重ねの果てにあるアリーナ公演――ソロ活動8年目の現在地
対バンツアーを通じて得た多くの学び。それは、山本が目指す「アリーナ公演」という大きな目標へと繋がっている。だが、彼女にとってその目標は単なる「規模」や「形」を追い求めるものではない。「アリーナ」という舞台で何を届けるか、その「中身」にこそ意味があると語る。 「アリーナ公演のために音楽をやるわけではありません。それを実現できるような“自信”と結果を少しずつ積み重ねていく。その果てにアリーナがある、という感覚ですね。」 この“自信”という言葉で思い出すのは、6年前、NMB48を卒業しソロアーティストとして新たな道を歩み始めた彼女が語った言葉だ。 「アイドルを8年間やってきましたが、同じくらいの時間をかけて自信を育てていきたい」 あれから6年。グループ活動との併用期間も含めて8年という時を経た今、その「自信」はどのような形で結実しているのか。その答えを山本自身に問いかけてみた。
「まだおぼろげな部分があるのが正直なところです。自信って浮き沈みがあるものだと思います。どんなに調子が良くても、いずれ打ちのめされるタイミングが来ますよね。でも、ステージに立つ瞬間には確かな自信を持ってパフォーマンスできている。その自信をもっと確固たるものにしていきたいです」。
「前例のない存在」を目指して――山本彩にしかできない表現
元アイドルからシンガーソングライターへ。自ら楽曲を生み出し、ソロアーティストとして長く愛される存在になる――そんな「前例のない存在」を目指す山本彩。その挑戦は、「自分にしかできない音楽」を探し続ける旅でもある。 「意外性やエンターテインメント性は、アイドルグループ時代から大切にしてきた部分です。それを音楽に取り入れて、聴いてくれる方に楽しんでもらいたい。そして、音楽を通じて誰かの心に寄り添えたらうれしい。それが私の目指すゴールです」。 アイドル時代の経験を糧に、ソロアーティストとして挑戦を続ける山本彩。その歩みには、成功も失敗もない。「自分だけの道」を切り拓く旅こそが、彼女の音楽と生き様そのものだ。 その先に広がる景色は、きっと誰にも真似できない唯一無二のものだろう。 山本彩 1993年7月14日生まれ。大阪府出身。NMB48の1期生として8年間キャプテンを務め、中心メンバーとして活動。2016年、シンガーソングライターとしての活動も始動させ、デビューアルバム『Rainbow』をリリース。2018年、万博記念公園東の広場で卒業コンサートを開催。2019年、ユニバーサルミュージック移籍し、第1弾シングル「イチリンソウ」をリリース。全曲作詞作曲を行った3rdアルバム『α』はオリコンウィークリー5位を記録。2023年、全曲作詞作曲を行った最新アルバム『&』をリリースし、オリコンウィークリーTOP10ランクイン。2024年2月から3カ月連続配信リリース、ホールツアーやアジアツアーやアコースティックツアーの開催、アニメ「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」主題歌横断プロジェクトへの参加など、国内外問わず精力的に活動する姿に注目が集まっている。 長田 慶=写真 ライブ・アーティスト写真=ユニバーサルシグマ提供 池田鉄平=取材・文
OCEANS編集部