「NMB時代のやり方」では越えられない壁が次々と……山本彩が歩む“自分だけの道”を切り拓く旅
「木天蓼」と「カフェモカ」――対照的な2曲が描く音楽の幅
こうして生まれたリード曲「木天蓼(またたび)」は、山本の新たな挑戦を象徴する楽曲だ。アップテンポなイントロとマイナー調のボーカルラインが生む意外性、ジャキジャキしたギターの絶妙なバランスが、ロックと歌謡曲を見事に融合させている。 「『木天蓼』は攻めたサウンドと歌詞で挑戦を込めた曲。一方、『カフェモカ』は、休日の朝にぴったりの、肩の力を抜いてリラックスできる一曲です。ストレートな歌声に、適度なファルセットが加わり、情感をより引き立てています」。 力強い『木天蓼』と柔らかな『カフェモカ』。対照的な2曲が、EP『U TA CARTE』での山本の音楽的な幅の広さを象徴している。 音楽という一皿を自由に選び、味わう――そんな楽しみが詰まった作品が、このクリスマスに届けられる。
ライブで掴んだ新たな自信――2024年の対バンツアー
2024年、山本は初のアジアツアーに挑戦。さらに、アコースティックライブや、阿部真央、SCANDAL、ACIDMANとの対バンツアーを通じて、多くの刺激を受けると同時に、アーティストとしての自分を深く見つめ直す時間を過ごした。 「対バンツアーは、自分のファン以外の方にパフォーマンスを見てもらえる貴重な機会でした。だからこそ、『山本彩のLIVE、悪くないやん』と思ってもらえるよう、全力を注ぎました」。 未知の空間への挑戦を経て、SNSには「初めて山本彩のライブを見たけど良かった」という感想が多く寄せられた。 「そんなコメントを見ると本当にうれしいですし、もっと多くの人にそう思ってもらえるように頑張りたいと改めて思いました」。 また、対バン相手から受けた刺激は、山本の音楽観にさらなる変化を与えた。 「阿部真央さんの圧倒的な歌唱力、SCANDALさんの観客を巻き込むエネルギー、そしてACIDMANさんが描く音楽の深遠な世界――それぞれのライブを目の当たりにするたびに、『自分には何ができるのだろう』と考えさせられました。もっと多くの人と一緒に音楽を作りたい。そのコラボレーションの中で、自分の音楽もさらに磨かれていくと思う」。 異なる個性との共演を通じて、自身の新たな可能性に気づき、次なるステージへの一歩を踏み出している。