新幹線の予約スペースが「無法地帯」と物議 乗客が取るべき適切な対応…JR東海の対策は
JR東海に聞いた 事前予約せず車内に特大荷物を持ち込むと持込手数料「1000円」
新幹線の予約制の荷物スペースを巡ってトラブルが相次ぎ、物議を醸している。事前に座席を予約購入しているのにもかかわらず、すでに誰かが無断で荷物を置いてしまっているという迷惑事例だ。外国人旅行客によるルール違反についてもSNSで報告されており、周知徹底など事態改善を求める声が強まっている。一方で、予約なしの荷物を「ホームに放り出す」などとする不穏当な書き込みも。年末年始に旅客需要の拡大が見込まれる中で、JR東海に、現状の対策や乗客の適切な対応について聞いた。 【写真】新幹線の「マナー崩壊してるよ」 荷物予約したのにあ然…実際の光景 ここのところ困り事として話題になっているのが、「特大荷物」の座席だ。JR東海は、東海道・山陽・九州・西九州新幹線での荷物の持ち込みについて、3辺の合計が160センチ超・250センチ以内の荷物を「特大荷物」と定義付け、車両の一番後ろにある「特大荷物スペースつき座席」、または、デッキにある「特大荷物コーナーつき座席」の事前予約のルールを設定している。予約にあたり追加料金は発生しないが、「事前予約せず車内に特大荷物をお持ち込みになりますと、持込手数料(1000円・税込み)をいただきます」と、有料の要件を設けている。250センチ超は「持ち込み不可」だ。 近年の旅行需要復活などもあり、予約制の荷物スペースに、他人のスーツケースが勝手に置かれるなど“占拠”されてしまうケースが続出。迷惑被害の事例報告と共に、「無法地帯すぎて置けないじゃないか」「新幹線マナー崩壊してるよ…」「自分も経験するとは思わなかった」といった困惑の声が後を絶たない。 現状の予約システムの再考を促す声も上がっており、「もうこのシステムは根本的に考え直さないといけないと思います」「予約タグを発行して荷物に付けるシステムにしたら?」「ロッカーにして予約者にQRコードキーを発行するようにした方が良い」「JRマジで治安維持頼む」などの提案も。 過去最多のペースで訪日客数が爆増。インバウンドへの注意喚起のアナウンスも課題となっており、問題の早期解消が求められている。同社ではどのような対応に取り組んでいるのか。 まず、「全てのお客様に、新幹線をより安心して快適にご利用いただくことができるよう、他のお客様にもご配慮いただくようお願いしております」と、マナー意識を呼びかけ。 特大荷物の予約制度の周知策として、「ポスターやHP、駅等でのリーフレット掲出等の告知を実施しております。また、海外からのご利用回復も踏まえ、成田空港やJR東日本の主要駅、旅行会社カウンター等においても、リーフレットを設置しています。既存の訪日外国人向けHPのトップバナーに掲出、X等も最大限活用し、特大荷物スペースや特大荷物コーナーについて予約前にお知らせを実施しています」と説明する。 車内放送では、2か国語(日本語と英語)で予約者専用の荷物置場であることを案内していることに加え、特大荷物スペースについては、その場所が予約が必要なスペースであることを明確にするため、車内床面に案内を標記。QRコードで5言語(日・英・中簡・中繁・韓)対応の案内サイトへの誘導を行っている。特大荷物コーナーは、オレンジ色で「要予約」の表記を掲出しているとのことだ。 同社は、対策強化の検討を進め、さらなるサービスの向上に努めていくという。