【天皇賞秋】トラックバイアスから分かる「買ってはいけない馬」「買うべき馬」/オールカマー編
[GⅠ天皇賞秋=2024年10月27日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝2000メートル] 内が伸びる芝、外差しが決まる芝…。馬場はまるで生き物かのように、日々変化する。そこから生じる馬場の傾向が「トラックバイアス」。朝から芝に足を踏み入れてコンディションを確かめるジョッキー、調教師…。彼らはそれが競馬の勝敗に影響を与えることを分かっている。当然、予想のファクターとしても軽視すべきものではない。当欄はトラックバイアスから〝レースの真実〟を解き明かし、買うべき馬、買うべきではない馬をあぶり出すのがテーマだ。
【オールカマーのトラックバイアス】
前週まで使用されていたBコースからさらに3メートル外側に内柵を設置したCコース2日目だったこの日(9月22日)の中山競馬場。 内伸び馬場だった前週・セントライト記念当日(9月15日)において、同レース前までに行われた芝競走の1~3着馬が直線で内ラチからおよそ何頭分外を回ったかの平均値が以下のものだ。 1着馬=3・6頭目 2着馬=3・4頭目 3着馬=5・2頭目 これに対して、オールカマー当日、同レースの前に行われた芝5レースの平均値はこうなっている。 1着馬=3・2頭目 2着馬=4・8頭目 3着馬=4・4頭目 ほぼ変わらない数値となっており、コース替わりによって内伸び馬場がうまく維持されたことが分かるだろう。
【買うべき馬】ニシノレヴナント
直線外に持ち出して、ラスト1ハロンでは内ラチから10頭分外に出して猛追してきた。勝ったレーベンスティールが直線最内からゴール手前で1頭分外に出して差し切り。2着アウスヴァールが最内、3着リカンカブールが内から2頭目という内伸びのトラックバイアスでは不利なコース取りだったが、ゴールを過ぎた直後ではステラヴェローチェ(内から6頭目のコース取り)を追い抜こうとするほど伸びに勢いがあった。おそらく人気は下から数えたほうが早いだろうが、上がり最速の決め手にウソはない。〝爆駆け〟があるかもしれない。
【買ってはいけない馬?】レーベンスティール
前述した通り、直線は実にロスがなく、かつ伸びるところを通っていた。ただ、外に出そうとして出せず仕方なく最内を突いたところもあり、かなり窮屈になって満足に追えていなかったのも確か。見た目の勝ちっぷりを「100」とするなら、馬場の恩恵分、少し下方修正をして「90」ぐらいの扱いとするのがいいのでは?
東スポ競馬編集部