[特集/CL&EL新時代 03]15人の日本人選手が参戦 サムライたちのCL&EL
遠藤は試練を迎えている 川村はCL出場なるか
プレミアリーグでプレイする2人、リヴァプールの遠藤航、アーセナルの冨安健洋はCL優勝を狙える。実力どおりにいけば、少なくともラウンド16に勝ち上がるだろう。ただ、遠藤、冨安ともに出遅れており、昨シーズンほどチームで活躍できていない。 冨安に関してはヒザの負傷でプレシーズンから離脱しており先日のプレミアリーグ第7節サウサンプトン戦で復帰したばかり。これまでCLで出場がないのは仕方なく、今後ピッチに立つ回数が増えていくと考えられる。 復帰戦となったサウサンプトン戦は途中出場で右サイドバックを務めており、やはり冨安のアーセナルでの主戦場はこのポジションになる。CLはアタランタ(ポット2)、パリ・サンジェルマン(ポット1)との連戦を終えて1勝1分けというスタートになっている。プレミアリーグで優勝を争い、CLで早期敗退しないためには、分厚い選手層が必要だ。秋を迎えて冨安が復帰したのは、アーセナルにとって大きなプラスだといえる。 複数のタイトルを狙うリヴァプールのなかで、遠藤は昨シーズンから大きく出場時間を減らしている。プレミアリーグが2試合交代出場で合計2分、CLは1試合交代出場で1分という厳しい出場時間になっている。一方で、リーグカップには先発している。この流れでいくと、アルネ・スロットが主力を休ませたいと考えた試合で遠藤は先発することになる。 新監督のスロットは攻撃的なボランチを求めていて、自分で前に運び、ときに自分でフィニッシュするというタイプを同ポジションに起用している。リードを奪っても守りに入るという考えはなく、攻撃的な選手を入れてさらに畳みかけようとしている。この新たなリヴァプールのなかで遠藤は出場時間を増やせるのか、あるいは冬の移籍期間になんらかの動きがあるのか。いずれにせよ、遠藤の動向はチェックしていなければならない。 ここまで紹介した選手たちはすでにCLや国内リーグのピッチに立ったが、負傷によってまだシーズンがはじまっていないサムライもいる。バイエルンの伊藤洋輝、レッドブル・ザルツブルクの川村拓夢である。 プレシーズン中に右足の中足骨を骨折した伊藤は、スパイクを履いてボールを蹴る練習を再開したとのニュースがあり、年内の復帰が見込める。バイエルンは最終ラインの選手層に不安があり、ブンデスリーガ&CLともにキム・ミンジェ、ダヨ・ウパメカノのCBで戦っている状態で、CLリーグフェーズ第2節のアストン・ヴィラ戦に0-1で敗れている。コンディションが整ったなら、伊藤には必ずCLで出場機会がある。 同じく不運だったのは川村で、レッドブル・ザルツブルクに加入直後の7月に左ひざの内側靱帯を断裂して戦線離脱している。ポット3のザルツブルクは第1節スパルタ・プラハ戦に0-3、第2節ブレスト戦には0-4で完敗している。ブレストはポット4でクラブランキング最下位であり、この一戦に敗れたのはかなりの計算外だ。 川村の復帰時期は未定で、今シーズンのCLに出場できるかどうかわからない。昨シーズンで国内リーグの連覇が途切れたレッドブル・ザルツブルクにとって、今シーズンは沈みを少なくする意味でも大事な1年になる。川村は復帰を待望されている。