黒川伊保子 子に人生コストをかけない人が社会を活性化しているのを見逃してませんか?「結婚」「子ども」を聞く習慣は私たちの世代で<なし>に
◆すべての人が挑まなくてもいい 私は、ヒトの脳を装置として見立て、人間関係をネットワークに見立てて、システム分析している。 複数のサーバやコンピュータを接続するネットワークシステムでは、すべての装置が目いっぱいで動いているのは危ない。 タスクがあふれたとき、システムダウンしてしまうからだ。余裕のある装置を混ぜないとね。 人間社会も一緒だと思う。 人生コストを根こそぎ奪われる子育てに、すべての人が挑まなくてもいい。 ――というわけで、女性たちの産まない選択を、産む選択と同じように祝福しませんか? 本記事をお読みの読者の多くは、お孫さんをお持ちなのだろうけれど、子どもを持たない娘さんやおよめちゃんもいらっしゃるかもしれない。 あるいは、職場の同僚や後輩に、知り合いのお嬢さんに。
◆どちらの選択も祝福される社会へ 今や、地球の人口が80億を超えている。私の大学時代(1980年ごろ)、地球人口は40億ほどだったので、過去40年で倍に膨らんだことになる。 人類繁栄はもう十分になされていると言っていい。 すべての妙齢の女性に「結婚は?」「子どもは?」と聞く習慣、もう、私たちの世代でなしにしませんか? 女性たちが「子どもを持たない選択」を素直に言えて、「おお、その選択もありよね。あなた自身の人生を、思う存分、楽しんでね」と口々に祝福される社会であってほしい。 たとえ妊娠しにくい事態だったとしても、不妊治療をしない(続行しない)と決めた瞬間、女性は自ら産まない選択をしたことになる。 女と生まれた以上、私たちは、どちらかの選択を迫られるのである。 どちらの選択も、絶対、祝福されるべきだ。 産む選択も、産まない選択も、どちらも祝福される社会なら、逆に、孫自慢も心置きなくできるしね。 そして、その産まない選択には、2人目のそれも含まれる。 初孫を産んでくれた娘やおよめちゃんに、つい言ってしまいたくなる「2人目は?」も、もうやめよう。 ※本稿は、『孫のトリセツ』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
黒川伊保子
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