通天閣「光の天気予報」終了へ 8月から1年余りネオンを消灯して行う工事の中身とは?
工事期間は13か月、その理由は塔全体の大規模な塗り替え
だが、長年にわたる名物を終了させ、13か月にわたって行われる広告ネオンサインなどのリニューアル工事は、どれくらい大規模なものなのだろうか。 高井社長は「いつもなら約半年程度の改修工事期間ですが、今回の改修工事は通天閣の外装の塗装もあわせて行うため時間がかかるんです」と説明する。 これまでの改修工事では、工事を行うたびに、一部はく離していた塗装部分を部分的にタッチアップして塗装を補修してきた。しかし、今回は塔全体という大規模な塗り替えを行う。 大規模な塗り替え工事は1990年代に一度行ってはいるが、今回はその時とは事情が違うという。 高井社長は「通天閣は建設当時に鉄骨自体を亜鉛メッキ塗装していると言われており、他のタワーと比べ塗装膜の持ちが良いのですが、今回はLEDのサインや照明に切り替える事から、より効率的に夜間のライトアップが際立つよう、今までのグレーの塗装色よりも明るい『ライトグレー色』を選定し、今までにも増してライトアップが映えるように全面塗り替えます」と説明した。 工事期間はネオン点灯は見られなくなるが、営業は通常通り行われる。
リニューアル工事は14回目
現在の通天閣は2代目で1956年に建てられた。 翌年から日立製作所が広告ネオンサインを掲載して以来、平均して5年から6年ごとにデザインをリニューアルし、今年8月1日から行われるリニューアル工事は14回目になるという。
現在は「HITACHI」や「通天閣」といったネオンサイン広告が掲出されているが、高井社長によると、新たな文字は現在検討中。 昔は日立の製品名だった時もあったが、最近は日立製作所をイメージしやすい社名やメッセージが掲出されているとしている。
LED照明への切り替えは地球環境問題に配慮
また、LED照明への切り替えは地球環境問題に配慮し、照明の分野においても省エネに取り組まなければいけない時代に合わせていこうという思いもあるとしている。 今回の改修工事では、東側にあるLEDビジョンをより少し大きくしようと検討中。通天閣で一部使用し続けていたネオンサインも全廃するという。 高井社長は「環境にも優しいと言われているLEDサインやLED照明を全面採用し少しでも環境への負荷が軽減出来るようにと改修を計画しております」と力強く話す。