日銀・黒田総裁会見1月18日(全文2)2%に向けて徐々に物価が上昇する形に
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の18日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁、金融政策決定会合後に定例会見(2022年1月18日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁、金融政策決定会合後に定例会見(2022年1月18日) ◇ ◇
悪い円安ではないという認識に変わりないか
テレビ東京:テレビ東京の大江と申します。よろしくお願いいたします。円安についてお伺いします。10月の決定会合後の記者会見で黒田総裁、現時点では悪い円安ではないという発言をなさいました。そのころは1ドル113円近辺だったと記憶していますけれども、その後、一時1ドル116円台まで円安が進む局面もありました。現段階でも悪い円安ではないという認識は変わっていないでしょうか。 もう1点は、今後アメリカの利上げなど進んでいけば円安がさらに進んでいく可能性もあります。どこまで許容するのかっていうのをお伺いしてもなかなかお答えにはならないと思いますので聞き方をいろいろ考えていたんですが、どういう状況になったら日本にとって悪い円安になっていくんでしょうか。 黒田:まさに為替相場の水準などについて具体的にコメントするのは差し控えたいと思っておりますが、いつも申し上げているとおり為替相場は経済や金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移するということが極めて重要であるというふうに思っております。その上で一般論として申し上げますと、為替レートの変動というものは財・サービスの輸出の数量、それから輸出採算や海外事業の収益、そして輸入原材料のコストなど、さまざまなルートを通じて、わが国の経済に影響を及ぼします。これらの影響は、わが国の経済貿易構造の変化に伴って変化しているわけですけれども、為替円安が全体として経済と物価を共に押し上げて、わが国経済にプラスの影響、プラスに作用しているという基本的な構図に今のところ変化はないと考えております。従って悪い円安というのは考えていません。 ただ為替円安の影響が業種や企業規模、あるいは経済主体によって不均一であるということには十分留意しておく必要があるというふうに思っております。いずれにいたしましても悪い円安というようなものは今、考えておりませんし、考える必要はないというふうに考えております。というのが私の考えです。