ゴルフ会員権購入や売却のタイミングは“12月”が狙い目って本当? 年会費のサイクルから「売り」が増える!?
希望者を対象とした抽選方式も! ゴルフ場の返還手法は様々
会員権を売却する理由は人それぞれでしょうが、主な理由としては、どのようなものが多いのでしょうか。 前田さんによると、売却理由の大半は「転居」や「(身体の調子が悪いなどの理由で)ゴルフができなくなる」、「高齢」、「本人が亡くなる(遺族はゴルフをしない)」等が主な理由だそうです。 さらに「退会時に預託金を償還してくれるゴルフ場があるので、そのタイミングで売られる方もいらっしゃいますね」と前田さん。
一般的に預託金の据え置き期間は10~20年ほどだそうで、据え置き期間が満了となる償還時期がくると、運営がうまくいっているゴルフ場であれば、退会申請を申し出れば預託金の返還を受けられることが多いといいます。 「そうですね。今から19~20年前に預託金問題を抱えたゴルフ場のほとんどが一旦破綻し、そしてその後、再生を果たしたゴルフ場も数多くあります。再生したゴルフ場の証券額面は破綻前に比べてとても少額になったので、仮に償還を申し出たとしても、新しく生まれ変わった当該ゴルフ場がすぐに返還してくれます」 償還を申し出る段階で、ゴルフ場から償還してもらう額面より市場で売却する方が高値ならば、退会申請はせずに市場で売却すればよいそうです。 「ゴルフ場の返還手法には各々違いがあります。例えば江戸崎カントリー倶楽部(茨城県)。このコースの償還手法は、かなり個性的です。入会後に15年の据え置き期間があるのですが、その後は償還を申し出た方々に毎年1億円を限度として、抽選による償還をしています」と前田さん。 「余談ですが、以前、弊社顧客のNさんも江戸崎CCに退会申請をして償還を申し込まれました。そうしたら見事当選! すぐに預託金が戻ってきたそうです。その償還された資金をもとに、ご自宅からほど近い400万円ほどのゴルフ場会員権を新たに購入されました」 会員権を手放すのも購入するのも、どうやら“12月”という時期だけにとらわれる必要はなさそうです。大切なのは自分なりのビジョンをしっかり持って、ときには専門家の話に耳を傾け、タイミングをうまく計りながら進めていくのが得策なようです。
【監修】加賀屋ゴルフ代表 前田信吾さん
ゴルフ会員権取引を行う加賀屋ゴルフ代表取締役。ここ10年は、2日に1回の割合でラウンドを楽しむゴルフの達人(2023年は年間219回!)。独自の視点を生かしたゴルフ場の比較&検討に定評アリ。
月夜野いおり