内向的な人が「自分らしく生きる」にはどうすればいいのか? 内向型カウンセラーに聞いた、コンプレックスを強みに変える方法
「質問にすぐ答えられない」「大勢の場が苦手」「ひとり反省会が止まらない」 そんな傾向を持つ人は、“内向型”の可能性があるといいます。内向型カウンセラーとして活躍する井上ゆかりさんは、ご自身も内向型です。 「私は10代、20代、30代と“自分には何もない” “どうして私ってこうなんだろう”そんな悩みを抱えてきました。自分が内向型だと気づいて、その強みを活かせるようになった今、同じように悩んでいる方々に“自分も悪くないかも”と思ってもらいたくて、内向型カウンセラーの活動をしています」 これまでに1万人の内向型と向き合い、今年5月『世界一やさしい内向型の教科書』(世界文化社)を刊行したばかりの井上ゆかりさんに、内向型が自分らしく生きるための方法をお聞きしました。 ――そもそも、内向型とはどのような人をいうのでしょうか? 内向型の特徴はたくさんあるのですが、それが特にわかりやすく表れるのは、元気になりたいときの時間の過ごし方です。ひとりで静かな時間を過ごしたい人は内向型、みんなでわいわいアクティブに過ごしたい人は外向型という傾向があります。 ――内向型が悩みを抱えやすい理由はなんだと思われますか? 私はひとつには、“外向型推し”ともいえる社会の環境があると考えています。 小学校に入学したころから、「友だちをたくさん作りましょう」「手を挙げて積極的に発表しましょう」といわれ、外向的なふるまいがよしとされるようになります。それができていないと見なされると、先生や親から「もっとみんなと遊んだら?」と言われたり、通知表に「授業に積極性に参加しましょう」と書かれたり。大人は「よかれと思って」外向的なふるまいを勧めてきますが、そう言われた内向型の子どもは無意識のうちに「いまの自分のままじゃダメなんだ」と感じるようになります。 ――大人の世界でも、“外向型推し”は続いている気がします。 そうですね。ビジネスシーンでも、会議などの場で積極的な発言や、テンポのいい受け答えができる人が、いまでいう「シゴデキ」(仕事ができる人)に見られやすいですよね。内向型は外向型に比べて、脳内の情報の通り道が長いため、情報のインプットからアウトプットまでに時間がかかります。そのため、会議の場ではすぐに意見が浮かばなかったり、質問されてもすぐに答えられなかったりということが珍しくありません。 ハキハキと発言する人が主体的で有能に見えて、発言しない人が消極的でやる気がないと評価されやすい職場は、内向型にとってつらいですよね。