「記憶力は才能」と思っている人に欠けた視点…東大卒の記憶力日本チャンピオンが教える実態
メモリースポーツの世界大会で優勝するような「世界一記憶力が良い人」でも、大会で記憶した内容を意識的に復習しなければ、1週間後には大半を忘れてしまいます。1カ月後には思い出すことすらできません。 メモリースポーツのチャンピオンですら、復習をせずに記憶を長い間維持することは不可能なので、世の中のほとんどの人ができるわけがないのです。忘れるということは、「人間の防衛本能として『忘れる』ことで、自分を守ってくれているんだ」と思って、自分の記憶力に対して持っているネガティブな感情を一つ捨てることができたと思ってください。
■脳トレは筋トレに似ている!? みなさんも、一度は「筋力トレーニング」(筋トレ)をやったことがあるのではないでしょうか? 筋トレをやると翌日は全身が痛みに襲われて、ひどい倦怠感に悩まされると思います。それでも筋トレを継続していると食事にも気をつけるようになり、しばらくすると体に大きな変化が出てきます。もちろん運動時のパワーやスピードも上がるでしょう。サッカーや野球などの球技や、水泳、短距離走などにも効果があることは言うまでもありませんね。
「脳トレ」も同様です。脳トレをすると、記憶力や計算力などが高まります。脳トレはたくさんの種類がありますが、記憶力を高めたい人は、しりとりなどの自分の知っている知識を思い出す系の問題や、その場で何かを記憶してすぐに思い出すような単語記憶の問題をやるとよいでしょう。 間違い探しやストループなどは認知力向上に効果がありますし、数独やテンパズルのような計算を必要とする脳トレは計算力向上に大きな効果があります。普段から記憶力に関するトレーニングを行っている人は、脳が強くなっています。脳の〝基礎体力〟が上がっていくと、たくさんの英単語を覚えても疲れにくくなりますし、長い時間集中して勉強できるようになったりします。このような点も運動と全く同じですね。