【密着】町の安全を守る「千葉駅前交番」 “酔っ払い”“万引き”“行方不明者届”男性の保護などに対処『every.特集』
■気持ちの整理つくまで…“行方不明者届”男性保護
別の日の午後8時半。 「ピロピロ」 警察官 「お、きた!」 駅前交番に警察本部から連絡が入った。 警察官 「千葉駅周辺に」 警察官 「70歳の人ですね」 「行方不明者」が所持している携帯電話の位置情報が、千葉駅周辺で確認されたとの通報が入った。「行方不明者届」が出ているのは、70代の男性。突然、介護施設を飛び出し、行方が分からなくなったという。駅前を捜索していた、その時…。 警察官 「似ているな」 行方不明者の写真に似た高齢の男性を発見した。警察官が声をかけた。 警察官 「こんにちは」 男性 「こんにちは」 警察官 「旦那さん、お名前なんとおっしゃる?」 男性 「僕の名前は、○○○○」 警察官 「○○さん?」 男性 「うん」 「行方不明者届」が出ている男性だった。 警察官 「生活安全課捜索中、○○○○さん、発見しました」 男性は市内にある介護施設で暮らしていた。この日、そこから抜けだし、「行方不明者届」が出されていた。 警察官 「なんで今日(施設を)抜けだしちゃったの?」 男性 「イヤなのオレ。自分で結論を出して、もう、もういいやっと思って。み~んなさ、み~んな、ウソだらけじゃあないかよ」 男性は施設の職員とささいなことで口論になり、我慢できず、黙って出てきたという。 警察官 「あなたが勝手に出て行っちゃうことによってね、心配する人もいっぱいいるわけだよ。心配かけちゃあ、ダメでしょう」 男性 「いいよ」 警察官 「ダメだよ」 男性 「じゃあ、あれかい。オレのことは死ねってこと?」 警察官 「ん?」 男性 「オレは死んでもいいってことか?」 警察官 「死んじゃあダメだから、私たち捜しにきたの」 男性 「イヤなんだよ」 男性は施設でイヤなことがあると、その度に黙って飛び出すことを繰り返していた。 警察署から担当の警察官が到着した。 警察官 「ご自宅(施設)に帰りましょうね」 男性 「イヤだよ」 警察官 「帰りましょう」 男性 「帰っても、また同じことになるよ」 ささいなことで、度々飛び出してしまうという男性。帰りたいという気持ちはあるものの、なかなか素直になれないようだった。 警察官 「涼しい所に行こう、とりあえず」 警察官 「いったん、涼しい所に行こう」 警察官 「車(パトカー)の中、クーラーがきいていますから」 男性 「いいよ、いいよ。クーラーなんかいいよ」 警察官 「いったん、涼しい所に行きましょうよ」 こうした事態を見逃せば、事件や事故につながる恐れがある。警察官は、男性の気持ちの整理がつくまで、警察署で保護することにした。 町のトラブルに対処する「駅前交番」。そこは、昼夜問わず、いろんな人が訪れる「人の交差点」。 (12月10日『news every.』より)