「ロレックスぐらいは買える!!」精神科の訪問看護最大手が社内LINEでハッパをかけた「売り上げ最大化」
ある看護師は「ホームで訪問看護の利用者が亡くなったりすると、利用者数を減らさないようホーム側から『次の患者さんを用意してあるので、お願いします』などと連絡が入った」と話した。 ▽厚労省が調査へ 武見敬三厚生労働相は5月8日の衆院厚労委員会でこの件について問われると、こう答弁し、調査する考えを示した。「(訪問は)患者の心身の状況を踏まえて決めるべきで、一律に上限回数とするような運用は適切ではない。必要に応じて事実確認を行う」 ファーストナースはどう答えるのか。取材に対し次のように回答した。 「利用者の症状などに鑑み、訪問回数増加を提案することはありますが、利用者の希望を無視して回数を一律に指示することはありません。訪問時間に関しては、『35分』というのはあくまでも目安であり、理由なく長時間に及んでいる場合を除き、看護師に注意することはありません」 訪問する看護師らの人数については「医師の指示書や必要性に応じて実施しており、当社の都合で人数を増減させることはありません」。精神疾患の診断依頼についても「そうした事実はない」と答えた。 ▽取材後記
「看護の専門性がないがしろにされている」「こんなやり方は看護とは言えない」。取材に応じた看護師たちが見せた悔しそうな表情が忘れられない。 過剰な診療報酬の請求は、架空請求などの不正とは異なる。だが、原資は私たちが納める税金や保険料。こうした行為が広がれば、国民負担が必要以上に増えることになる。 もう一つの問題は、患者にも不利益をもたらす恐れがあることだ。本来は、訪問看護により症状が良くなって生活の質が向上し、やがては訪問看護が要らなくなるのが理想のはずだ。「訪問回数を増やす」という目標に、「患者のため」という思いは感じられない。 ********** 訪問看護の過剰な診療報酬の請求については、難病や終末期の人を受け入れるホスピス型の有料老人ホームでも同様の問題が指摘されています。情報をお寄せください。 tkh.joho@kyodonews.jp