箱根・強羅、紅葉や秋バラ色めく自然美の旅 デンマーク料理や彫刻の遊歩道も楽しむ
■秋バラと紅葉の見事なコラボレーション
「箱根強羅公園」は、1914年に開園した日本初のフランス式整型庭園。一般的なフランス式整型庭園は平たんで広大な敷地に左右対称で池などを配置するが、この公園は傾斜面に作られているのが特徴だ。設計当時の日本では洋式の建築や庭園が流行。今も東京駅や明治神宮外苑の一部などに面影が残っているが、箱根強羅公園は完全な形で現存しており、日本の造園史上、貴重な存在となっている。 園内では桜やツツジ、アジサイなど、季節の花が見ものだが、一番の見どころは春と秋に楽しめるローズガーデン。様々な種類のバラが植えられていて、春は5月下旬から6月下旬、秋は10月中旬から11月上旬に見頃を迎える。この時期は運がよければ、紅葉とのコラボレーションも楽しめるだろう。 2024年は開園110周年を記念したイベントが行われており、11月10日(日)までの土日祝日は、音楽堂でピアノやフルートの生演奏を秋バラとともに堪能する「秋のローズガーデン音楽会」を開催。雨天の場合は園内のサンドイッチ料理専門店「一色堂茶廊」で行われ、優雅なティータイムを過ごせそうだ。こちらもぜひチェックしたい。 園内には珍しい植物を拝める「熱帯植物館」や文化財のお茶室を見学でき、お菓子とお抹茶を楽しめる「白雲洞茶苑」、吹きガラスや陶芸、とんぼ玉の体験教室を開く「箱根クラフトハウス」なども。一日中楽しめる公園で、箱根の秋らしい凛(りん)とした空気を感じてみてはいかがだろうか。 文:志村香織(ライフスタイルエディター&ライター、カラーセラピスト)
志村香織
『mcシスター』『エル・ジャポン』などの編集部を経て独立。ウェルビーイング(心身の健康や幸福)をテーマに執筆や編集ディレクションを行う一方、オーラソーマやカードリーディングなどの個人セッションを提供するサロン「drop’dee」を主宰。色彩心理に関する執筆や講演も。 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。