なぜ五輪で不完全燃焼だった川崎Fの三笘薫は英プレミアのブライトン移籍を決断したのか…「プロとしての向上心とチャレンジ精神」
三笘が期限付き移籍するサンジロワーズは、ベルギー1部リーグで11回の優勝を誇る古豪だ。1972-73シーズンを最後に低迷していたが、昨シーズンの2部リーグで優勝して昇格。3試合を終えた今シーズンは、2勝1敗で首位に立っている。 「シーズンを通してプレーして、ヨーロッパのサッカーに確実に慣れていきたい。重要なのはフィジカル面を改善して、シーズンを通して戦えると示していくことです」 ブライトンの公式ウェブサイトで今シーズンへの抱負をこう語った三笘は、小学生年代のU-10から心技体を磨いてきた古巣に抱く愛情と感謝の思いを、世界で活躍する姿を介して還元していきたいと、川崎を通じてメッセージを届けている。 「アカデミー時代、先輩たちの背中をずっと追いかけていました。Jリーグで活躍するだけでなく、 海外のクラブで活躍する方たちもいます。僕も先輩たちに続いて世界の舞台で結果を出すことが、 川崎フロンターレというクラブを世界に知ってもらえる、そしてクラブの発展につながると思います。また、アカデミーの代表としてそういう姿を見せることが、アカデミーの後輩たちやこれからフロンターレに入りたいと思っている子どもたちに希望を与えられると思っています」 高校生年代のU-18から筑波大をへて昨年に川崎へ加入した三笘は、シーズン中盤から左ウイングに定着。13ゴールをあげてJ1のルーキー最多得点記録に並び、2シーズンぶりのリーグ優勝に貢献するとともに堂々のベストイレブンに名を連ねた。 今シーズンもチーム3位の8ゴールをマーク。2連覇を目指す川崎の無敗での首位独走と、ルーキーイヤーから継続している、自らがゴールを決めた試合では17勝1分けという不敗神話を置き土産にして、憧憬の思いを抱き続けたヨーロッパへ挑む。 (文責・藤江直人/スポーツライター)