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ヘルメットのフェイス・ガードにさらなる進化形が登場。これならX-MENにも勝てる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホーヘイ・アルファロ(左)とリース・ホスキンス Jun 9, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズンは、ヘルメットにフェイス・ガードの「Cフラップ」を装着する打者が、急増している。これまでは、ジェイソン・ヘイワード(現シカゴ・カブス)やジャンカルロ・スタントン(現ニューヨーク・ヤンキース)ら、その人数は数えるほどだったが、すっかり珍しくなくなった。例えば、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が登板した6月6日の試合では、マイク・トラウト(エンジェルス)をはじめ、スターティング・ラインナップに並ぶ両チームの野手18人中8人が、フェイス・ガード付きのヘルメットをかぶって打席に立った。

 さらに、より進化したフェイス・ガードも登場した。6月9日の試合に出場したリース・ホスキンス(フィラデルフィア・フィリーズ)の頬は、投手に近い左側だけでなく、右側もフェイス・ガードで覆われていた(写真)。「ダブルCフラップ」あるいは「マグニートー・ヘルメット」だ。フィリーズによれば、後者らしい。こんなツイートをしている。

 ホスキンスはスイッチ・ヒッターではなく、右打者だ。メジャーリーグ2年目の今シーズンも、この日までフェイス・ガードは装着していなかった。「マグニートー・ヘルメット」は、5月28日に自打球が顎に当たったことによる。退場はせず、翌日は代打として二塁打を放ったものの、検査の結果、亀裂骨折が判明して故障者リストに入った。MLB.comのトッド・ゾレッキーによると、まだ完治はしていないという。フェイス・ガードとともに復帰したホスキンスは、2打席目にホームランを放ち、4打席目にもシングル・ヒットを打った。

 ホスキンスが「マグニートー」なら、ニューヨーク・メッツには「ソー」のニックネームを持つノア・シンダーガードがいる。ハンマーならぬバットを手にしているのはホスキンスだが、どちらもパワフル。昨シーズン、ホスキンスは50試合で18本のホームランを叩き込んだ。シンダーガードの速球は100マイルを超える。マーベル・コミックスから抜け出してきたような、迫力満点の「マグニートーvs.ソー」が、メジャーリーグで繰り広げられる。2人が所属しているのは――シンダーガードはこの夏にトレードされる可能性もあるが――どちらもナ・リーグ東地区のチームだ。

 ホスキンスとシンダーガードによる過去の対戦は、四球、二塁打、四球だった。「マグニートー・ヘルメット」を装着したホスキンスに、シンダーガードは対抗できるだろうか。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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