イラン軍、標的を認識すると突っ込んでいき破壊する「神風ドローン」の試験を実施
周辺諸国での開発も進んでおりイランにとっても重要な「神風ドローン」
イラン軍が2021年1月に「Arash」と呼ばれる徘徊型の攻撃型ドローンを開発し、テストを行っていると欧米メディアが報じていた。動画も公開されている。「Kamikaze Drone(神風ドローン)」「Suicide Drone(自殺ドローン)」とも呼ばれており、標的を認識すると突っ込んでいき標的を破壊するドローンを開発して、実戦での利用に向けて試験を行っている。
アルメニアとアゼルバイジャンの紛争でも使用され、その効果が明らかになった「Suicide Drone(自殺ドローン)」「Kamikaze Drone(神風ドローン)」だが、イランでも本格的な導入に向けての試験を行っているようだ。中国でも試験を行っていると2020年10月に報じられていた。トルコやイスラエルなど周辺諸国でも神風ドローンの試験が行われており、イランにとっては神風ドローンは重要な兵器であり、周辺国やアメリカへの抑止力にもなる。
「Kamikaze Drone(神風ドローン)」「Suicide Drone(自殺ドローン)」と呼ばれる小型の徘徊型攻撃ドローンが突っ込んで標的にダメージを与えたり、敵側の人々を殺傷したりする戦闘方法が主流になっていくのだろう。
「神風(Kamikaze)」がこのようなところで使われるのに不愉快な想いをする日本人も多いかもしれないが、「Kamikaze Drone(神風ドローン)」は一般名詞になっており欧米や中東のニュースではよく見かける。
今後AI(人工知能)の発達によって、AIを搭載した徘徊型攻撃ドローンが、人間の判断を介さないでAIが標的を認識して判断して攻撃を行ってくるような自律型殺傷兵器が開発され、実戦でも使われるようになる可能性もある。人間の判断を介さないで標的を攻撃して人間を殺傷する自律型殺傷兵器は非倫理的であるという理由から国際NGOやいくつかの国は自律型殺傷兵器の開発と使用に反対しているが、イランは反対していない。隣国のイラクは反対を表明している。
▼イランでの「神風ドローン」の試験映像(2021年1月)