Yahoo!ニュース

天心が語る夢の舞台【那須川天心 独占インタビュー後編】

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
TEPPEN GYMでスタッフ撮影 

 那須川天心へ独占インタビュー!前編では話題となったメイウェザーとの一戦について話を聞いた。

メイウェザーの目の色を変えた天心のパンチ 【那須川天心 独占インタビュー前編】

 後編では、ボクシングへの転向、夢の舞台、憧れの存在について語ってもらった。

気になるボクシングへの転向

ーーー将来的にボクシング選手になる事も考えてる?

天心:はい。まだ詳しい事は、はっきりしていませんが、チャレンジしたいという気持ちはあります。海外でボクシングのライセンスを取って試合をして、日本ではキックボクシングの試合をして、両方でチャンピオンになりたいです。

ーーーボクシングでスパーリングとかやってみてどう?自分でも結構いけそうな感じはある?

天心:そんなに簡単なものではないと思いますが、手ごたえはあります。

ーーーさっき、練習も見させてもらって、僕が5~6年前、高校生になったぐらいの天心とスパーリングやらしてもらった時から、パンチが力強くなって、迫力もすごく出てきた。だから、ボクシングでも見たいなと素直に感じた。

天心:トライしてみたいなとは思っています。

ーーー天心の今の体重は。

天心:普段は62キロくらいです。

ーーーじゃあ、ボクシングだったら、バンタムとか、スーパーバンタムぐらいかな。

天心:そのぐらいがいいと思います。

ーーーボクサーの中で意識する選手とか、やってみたい選手はいますか?

天心:やってみたい選手はまだいません。けど、意識しているのは井上尚弥選手。彼は本当にすごいと思います。

例えば、キックボクシングに来て、蹴りが使えなくても勝ってしまうと思います。

ーーーじゃあ、井上選手の試合は見たりする?

天心:はい。やはり気になります。毎回すごく話題になるじゃないですか。

ーーー階級も近いし、2人の対決をバンタム級あたりで見てみたいな。色々とハードルはあるとは思うけど。

天心:でも、本当にボクシングやるなら、それを目指そうと思います。

ーーーボクサーとスパーリング経験はある?

天心:あまりないです。アメリカでリナレス選手とやったぐらいです。

ーーーリナレスはどうだった?

天心:速いし、スタイリッシュで、色々な戦い方があるんだとすごく勉強になりました。

ーーーコンビネーションもすごいよね。

天心:はい。バランスも崩れないです。

ーーー天心ってあまりスパーリングをやらないんだよね。俺達ボクサーの感覚だと、試合前にスパーリングしないと不安になる。天心の場合、そういう感覚はなくて、試合でスイッチ入る感じ?

天心:そんな感じです。

ーーーそれはすごいね。今はキックボクシングだけど、総合格闘技の試合とかも考えてる?

天心:今は考えていないです。

ーーートーナメントもあるからね。

ジムでインタビュー スタッフ撮影
ジムでインタビュー スタッフ撮影

夢は東京ドームでの試合

ーーーみんなが楽しめる注目度の高い試合がしたいよね。

天心:それは大きいです。自分がやりたいというよりは、周りが盛り上がってくれるなら。

あと、東京ドームでやりたいです。昔からの夢だったので。

ーーーそういう夢の舞台で、できたらすごく盛り上がるね!

天心:今後のために東京ドームでやったんだぞ!という。

ーーー東京ドームでは多分、タイソン以来やっていないと思うよ。

天心:本当ですか。

ーーー東京ドームでやった日本人ボクサーっていないからね。大きい会場でやったりとか、人から注目を浴びるということがモチベーションになってる?

天心:格闘技に興味がない人が、昔はこういう大きな大会をやりました。でも、今はこういう規模でやっていますとなると、なんだ、昔の方がすごいのか、というふうに見ると思うんです。だけど、必ずしもそうじゃないという所を見せていきたいです。

ーーーそうだね。格闘技界全体で盛り上げていかなきゃならないよね。自分の役割を考えたりする?例えば伝説になりたい、とか。

天心:それはあります。だから、いろいろなものにチャレンジしたいです。

ーーーけど、すでに格闘家の中ではパイオニアというか、中心にはなってきてるよね。今後どういうふうに、もっと知ってもらいたいとか、そういうのってある?

天心:それはあります。「自分を知ってもらう=キックボクシングを知ってもらえる」と思うので。

興味を持ってもらって、より多くの人がキックボクシングをやるきっかけをつくりたいなと思います。

モチベーションの保ち方

ーーー戦うモチベーションとかある?

今、世界チャンピオンの選手をはじめ、色々なボクサーの取材してるけど、知名度がほしいとか、名声がほしいとか、お金を稼ぎたいって選手が多い。天心はどう?

天心:強い相手と戦える、というのはモチベーションになっています。それに、試合がコンスタントに決まっているのも、モチベーションを保つためのものですね。ボクサーは半年に1回が普通じゃないですか。

自分の場合、基本は1カ月半ぐらいに1回ペースですけども、そういうふうにどんどん先の試合が決まっていると、モチベーションが保てるかなというのはあります。

ーーーじゃあ試合はどんどん、こなしていきたいタイプ?

天心:はい。そうですね!

ーーー海外で試合したいとかある?例えばUFCやONEとか、様々な団体が盛り上がっているけど。

天心:そろそろチャレンジしたいなという気持ちがすごく強いです。

SNSの活用方法について

ーーーSNSとかも活用して、フォロワー多いよね。

天心:フォロワーもそうですね。SNSはすごく大事に思ってます。

ーーーそれはどういった意味で大事だと?

天心:まず自分をアピールしたり、土台をつくるというのが大切です。試合が続くことによって、話題が尽きないというのもありますし。今の時代で自分をアピールできる大切なものだと思います。

ーーー最近は、メイウェザーやマクレガーをはじめとする選手達が、SNSでの発言で試合が決まったりするよね。やっぱり、そういう事も意識して使っている感じ?

天心:意識して使っています。

ーーー今後の展開として、どうなっていきたいとか考えてる?

天心:海外で試合してみたいと思っています。あと、メイウェザー戦でのボクシングで、いいところを見せられなかったので、やり返してやりたいという気持ちもあります。

ーーーそっか。格闘技は空手からだったっけ?天心にとって、格闘技とか、ボクシングもそうだけど、どういう存在ですか?

天心:はい。5歳からやっていました。もう生活の一部で、自分の職業。格闘技というのは厳しい世界だとは思うんですけれども、それでも、活躍して周りの人に知ってもらって、それを目指してもらえたらな、と思っています。

天心の意外な一面とは・・・

ーーー例えば、他のスポーツ選手とか芸能人で尊敬する人とかいる?

天心:矢沢永吉さんが好きです。まさに神です。もう70歳ぐらいなのに挑戦し続ける姿に感動しています!

ーーー他に憧れの人とかいる?

天心:憧れを抱くのはアニメとか漫画の登場人物ですね。

ーーーアニメとか漫画読んだりするんだ。どんな作品が好き?

天心:好きな作品はいっぱいあります。

主人公って、すごく明るいし、みんなを引っ張っていくプラスなイメージがあるじゃないですか。それにすごく憧れます。そんな風になりたいなと。

ーーー今の天心はヒーローみたいになってるよ。例えば、天心より小さい子とか、そういう目で天心を見ていると思う。ワンピースのルフィとかドラゴンボールの孫悟空みたいな存在にね。

天心:そうですね。そういう人達になりたいです。

ーーーなんか、お化け屋敷が結構苦手って。

天心:お化け…苦手です。お化け自体が苦手。

ーーー苦手なんですね笑。心霊とか。俺も苦手だけど。

天心:無理です!本当に!

ーーーそうなんだ。天心の意外な一面だよね笑。

格闘技のパイオニアの存在へ

(天心父合流)

ーーーお父さんのプレッシャーは強い?

天心:プレッシャーは、ずっとかけられています。

ーーー天心のウィキペディアにも書いてあったよ。父親のプレッシャー、本当にすごかったって。

天心父:いくつになっても子供だから。彼が本当に立派な人間になったって、多分うるさいこと言うと思うよ。

天心:そうですね。

ーーーボクシングもキックボクシングも総合格闘技も協力し合って、盛り上げていくのがベストですね。

天心父:ボクシングと共に格闘技も盛り上がっていければいいよね。

ーーーそうですね。天心はフォロワーどのくらいいるの?

天心:インスタグラムは30万人くらいです。

ーーー多いね!天心にはボクシング、格闘技を盛り上げて、パイオニアとして伝説になってほしい。

この前のメイウェザー戦というのは、何年も語り継がれるような伝説の試合じゃないですか。

メイウェザーを呼んできて、試合をする存在になったというのは、これから彼のキャリアをつくっていく上で、すごく重要な試合だと思います。いつかメイウェザークラスになれるよう、頑張ってください。

天心:はい!頑張ります!!

 天心にインタビューしたが、まだ若干20歳とは思えないほど落ち着いていた。数々の大舞台を経験してきた彼は、大きな成長を遂げて進化し続けている。

次の試合は、3月10日(日)大田区総合体育館で開幕するRISE世界トーナメント『RISE WORLD SERIES 2019』に出場する。今後の那須川天心からますます目が離せない。

松戸にあるTEPPEN GYMで著者撮影
松戸にあるTEPPEN GYMで著者撮影
元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

木村悠の最近の記事