見解田澤純一の名前が東京ドームにコールされ、マウンドに立つ姿を見た時、何だかエモい気持ちになって涙腺が緩んだ。橋戸賞を手にした16年前の活躍を知る人たちは、「同じ思いだ」と感動していた。そして、社会人日本一を目指す真剣勝負の舞台に立つに相応しいボールを田澤が投げ込んだ時、メジャー・リーグをはじめ世界を渡り歩いてきた田澤の野球にかける思いを垣間見られたような気がした。また、ENEOSは昭和の都市対抗を彩ったブルーグレーの伝統あるユニフォームをリメイクし、この試合で着用していたのもよかった。史上最多13回目の優勝にひた走るENEOSで、二回戦も田澤の登板が見られるか楽しみだ。
コメンテータープロフィール
1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。
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