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山田吉彦

山田吉彦認証済み

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海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

報告

見解JR九州高速船「クイーンビートル」の浸水の隠ぺいは、許されるものではない。担当者および管理者は、過去の経験値から許容範囲と考えたのだろうが、基準、ルールを守ることは航行安全の上での基本である。「安全統括管理者と運行管理者の解任命令」は、初めて適用された厳しい措置である。JR九州高速船の組織的な違反行為と断定されたのだ。船舶の安全運航を監督する国土交通省は、厳しい措置をとった。 2022年4月に起きた知床観光船「KAZU1」沈没事故の反省もあり、船舶の検査体制は厳格なものとなっている。国土交通省による規則の強化に対し、厳しすぎるとの声もあるが、このような規則破りが発生すると、国土交通省も、船舶所有者、運航者の自主性を信頼しかねるだろう。 JR九州高速船の航路は、国民にとっても必要であり、重要な航路と思料する。親会社のJR九州も含め、国民の信頼を回復するために全力を尽くしてほしい。

コメンテータープロフィール

山田吉彦

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

東海大学海洋学部教授。1962年千葉県出身。学習院大学経済学部卒後、金融機関を経て日本船舶振興会(現日本財団)に勤務。勤務の傍ら埼玉大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。2009年東海大学教授。海難審判庁業務改善委員会委員、国土交通省海洋政策懇談会委員、東京都専門委員などを歴任。八重山自然大使。海洋コメンテータとして各種メディアで海洋問題を解説。著書、日本の国境(新潮新書)ほか多数。

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