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薬師寺泰匡

薬師寺泰匡

認証済み

救急科専門医/薬師寺慈恵病院 院長

報告

解説日本では、臓器移植をする時のみ脳死判定が行われます。それ以外では脳死判定はされません。これは長く築いてきた死生観を反映しつつ法律で決めた事です。 脳死を人の死として受け入れる前に、臓器移植をするかどうかという決断がやってくるので、多くの場合、患者家族は重要な決断をしてしまっても良いのだろうかと戸惑います。死のタイミングを決めかねない決断になりますから、戸惑うのは当然です。 普段から、自分や家族の生き様、そして死、死後についてよく話し合っておく必要があります。誰かの希望になれる道筋を選んだ人がいれば、医療従事者としては可能な限り協力したいと考えています。 医療面での課題としては、脳死判定や臓器移植に携わった事のある施設が少ない事があげられます。施設間での情報共有や研修体制を構築するなどして、より多くの施設で患者さんの最後の望みに寄り添う事ができるようにする努力が必要です。

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コメンテータープロフィール

薬師寺泰匡

救急科専門医/薬師寺慈恵病院 院長

やくしじひろまさ/Yakushiji Hiromasa。救急科専門医。空気と水と米と酒と魚がおいしい富山で医学を学び、岸和田徳洲会病院、福岡徳洲会病院で救急医療に従事。2020年から家業の病院に勤務しつつ、岡山大学病院高度救命救急センターで救急医療にのめり込んでいる。ER診療全般、特に敗血症(感染症)、中毒、血管性浮腫の診療が得意。著書に「やっくん先生の そこが知りたかった中毒診療(金芳堂)」、「@ER×ICU めざせギラギラ救急医(日本医事新報社)」など。※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。

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