補足脳死になる状況というのは比較的限られており、一部の脳卒中(くも膜下出血など)、外傷、何らかの原因で脳に一定時間(血液)酸素が行き渡らなかったような状況です。そのような状態というのは突然起こるため、家族や親しい人にとっても、通常予期していない出来事なわけです。 実際の医療現場で、ご高齢の方が徐々に衰えて危篤になっても「こんな風になるとは予想していなかった」と仰る身内の方が多いことを考えると、突然倒れて「意識は戻りません」と告げられ、脳死判定するかどうかの判断を迫られても、冷静に対応するのは困難なことが多いです。 ただそれでも、「元気な時にそういう話をしていた」とか、実際に免許症などに臓器提供希望と書かれていれば、残される方にしても判断もされやすいように見受けられます。 親しい人が亡くなる話は縁起でもないかもしれませんが、こういう記事を見られたら身近な方とも話しておいてはどうでしょう。
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コメンテータープロフィール
脳神経外科医。脳動脈瘤・良性腫瘍・バイパス手術・微小血管減圧術(顔面痙攣・三叉神経痛)など、微細操作が必用な手術が得意。日本赤十字社医療センター(渋谷)。
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