見解今日、政治的暴力が米国のニューノーマルとなりつつある。政治的暴力拡大は、近年拡大傾向にあり、連邦捜査局(FBI)の国内テロ捜査件数にも顕著に表れている。南北戦争以来とも言われ、深刻化する二極化社会だが、政治的暴力を促す発言はいずれの政党でも増えている。 いずれの候補が勝利しても米国社会の亀裂は拡大し、大統領選後も政治的暴力のリスクが想定されている。仮に大統領選でハリス氏が敗北した場合、都市部で反トランプ派による暴動が起こる可能性がある。一方、トランプ氏が敗北した場合、同氏などの呼びかけで、大統領選後に「(民主党に選挙を)盗まれるのを阻止せよ(Stop the Steal)」のムーブメントが共和党内で再び盛り上がる可能性がある。大統領候補として共和党を実質率いるトランプ氏の言動は影響力が大きいため、政治的暴力を煽りかねない発言は懸念されている。
コメンテータープロフィール
慶応義塾大学(総合政策学部)卒業。ハーバード大学ケネディ行政大学院(行政学修士)修了。同大学院卒業時にLucius N. Littauerフェロー賞受賞。松下電器産業(現パナソニック)CIS中近東アフリカ本部、日本貿易振興機構(JETRO)海外調査部、政治リスク調査会社ユーラシア・グループを経て、2013年より米州住友商事会社。2020年より同社ワシントン事務所調査部長。著書に『米国通商政策リスクと対米投資・貿易』(共著、文眞堂)。コメントは個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。
関連リンク(外部サイト)
渡辺亮司の最近のコメント
バイデン大統領 トランプ支持者を「ごみ」と呼んだと受け取れる発言 トランプ氏はごみ収集車で民主党を攻撃
TBS NEWS DIG Powered by JNN