5日投開票のアメリカ大統領選、勝者判明まで「数日以上」との見方強まる…激戦州の郵便投票の開票で
【ワシントン=田島大志】米大統領選(5日投開票)は、激戦州で郵便投票の開票作業に時間がかかると予想され、勝者の判明までに数日以上かかるとの見方が強まっている。陣営が開票作業での不正を訴えて法廷闘争に持ち込めば、さらに結果の確定が遅れる可能性もある。 【図】一目でわかる…アメリカ大統領選への関与を強める3か国、狙いは?
「投開票日当日の午後9時までに選挙を終わらせるべきだ。数週間もかかるらしい。ひどい話だ」
共和党のトランプ前大統領は3日、ペンシルベニア州での演説で、郵便投票の開票に時間がかかることに強い不満を示した。一方、民主党のハリス副大統領は3日、カリフォルニア州に郵便投票を行ったことを明らかにした。
過去の大統領選では、多くは投票日の夜から翌日未明の間に当落が判明してきた。トランプ氏が民主党のヒラリー・クリントン元国務長官を破った2016年の選挙では、米東部時間で翌日の午前2時半頃にトランプ氏が当選確実と報じられた。
ただ、新型コロナウイルス禍の中で行われた20年の選挙で郵便投票が過去最多となり、一部で開票作業が遅れた。米メディアが最後まで残ったペンシルベニア州の結果について、民主党のバイデン大統領の当確を打ったのは投開票日の4日後だった。
今回の選挙では、同州や激戦州のウィスコンシン州を含む7州で、期日前と郵便投票の開票作業が当日まで行われない。郵便投票の開票作業は、開封や本人確認などに時間を要する。投開票日後に到着した票を有効とする州もあり、11月9日の到着分まで認めるネバダ州では、結果の確定までに数日かかる見通しだ。
同じく激戦州のアリゾナ州でも、郵便投票の集計作業に時間がかかると見込まれる。州選管関係者は、米紙ニューヨーク・タイムズに対し、「最終結果が出るまで10~13日かかる」との見方を示した。
ペンシルベニア、アリゾナ州などには得票差が0・5ポイント以内の場合は再集計するとの規定もある。再集計となれば、さらに結果判明がずれ込むことになる。