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碓井真史

碓井真史認証済み

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

報告

見解<長時間の過酷な取り調べが虚偽自白を生む> 「自白は証拠の王」「真犯人だと思ったら、その自分の信念を疑うな」。こんな考えが冤罪につながる。たとえばFBIの研究によれば、拷問は自白を生みやすいが、同時に虚偽自白も生みやすいとされている。 証拠の捏造は論外だが、真犯人を有罪にしたい刑事の思いと、この取り調べの苦しみから逃れたい被疑者の思いとが合わさって、虚偽自白が生まれる。 過酷な取り調べの中で、被疑者は冷静さを失う。「私がやりました」と言ってしまえば楽になれる。もし言ってしまっても、あとできちんと調べてもらえば、無実だろわかってもらえるだろう、そんなふうに思ってしまうのだ。 それは、高層ビル火災で、窓から飛び降りてしまう人の心理に似ている。 現在では、拷問はもちろん、長時間の取り調べも、カツ丼のご馳走も許されていない。むしろラポール(相互信頼関係)こそが、真実への道とされている。

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コメンテータープロフィール

碓井真史

社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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