見解＜理不尽な認知の歪みか＞ 「2人を襲う狙いを持って入店」。別の報道によれば、県警は「無差別的な犯行ではなく、何らかの理由で2人を狙った可能性がある」「面識はなかった」「被害者側に全く落ち度はない」とも述べている。 一般に、殺人の動機は人間関係のもつれからの怒りや恨み、金目当てなどがあるが、大人が子供に殺意を持つ場合には当てはまらないことが多い。今回も、面識もないのに強い個人的感情を持つことは考えにくい。また、性的目的などもないだろう。 そうすると、たとえば笑顔で歩いていたのが気に食わないなど、理不尽な逆恨み、あるいは認知の歪みによる強い思い込みによる怒りなどが考えられる。 精神疾患でなくても、他者を敵視してしまう人々はいる。自分は世界中の嫌われ者と感じたり、すれ違っただけなのにガンつけられたと感じる人もいる。 動機の解明は、正しい裁判だけでなく、今後の類似事件防止のためにも大切だ。
コメンテータープロフィール
1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士（心理学）。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演：「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか！？TV」「チコちゃんに叱られる！」など。著書：『あなたが死んだら私は悲しい：心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった：追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修：『よくわかる人間関係の心理学』等。
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