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辻田真佐憲

辻田真佐憲

認証済み

評論家・近現代史研究者

報告

解説「その他の意図がない? そんなわけないだろう」と言いたくもなるひともいるでしょうが、すでにあちこちで指摘されているように、自衛隊内では大東亜戦争という表記がよく使われています。たとえば、資料館や広報館などの説明書きがそうです。SNSの担当者もその延長線上で、とくに深い考えもなく使った可能性は否定できません。 歴史上の説明のために、大東亜戦争という用語を使わなければいけない場面もあります。じっさい、学術論文などで中立的に使われている場面もあります。文脈を見るべきで、言葉狩りのようなことは避けるべきです。ただ、自衛隊の広報SNSアカウントのような短文で拡散するところでは、余計なトラブルを回避するためにも、中立的な「さきの大戦」などを使ったほうが無難ではあるでしょう。

コメンテータープロフィール

1984年、大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている。著書に『「戦前」の正体』(講談社現代新書)、『古関裕而の昭和史』(文春新書)、『大本営発表』『日本の軍歌』(幻冬舎新書)、『空気の検閲』(光文社新書)などがある。

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