見解2006年にイラク北部クルディスタン自治区アルビルとハラブジャで、日本被団協と協力して「広島・長崎原爆写真展」を開催しました。フセイン政権時代に化学兵器攻撃を受け多数が犠牲となったハラブジャでは、ヒロシマとハラブジャを重ね合わせ、「ハラブシマ」と地元の人びとは呼んできました。広島・長崎の惨劇と被爆者の姿を記録した写真に人びとは見入っていました。 被団協の協力で、原爆の悲劇を伝えることができた意味は大きく、またハラブジャの化学兵器被害についても日本で伝えることができました。原爆の惨禍や被爆者の苦悩を伝え続ける被団協の取り組みの積み重ねが、ノーベル平和賞につながったのだと思います。 ロシア軍のウクライナ侵攻では、原発破壊や放射能被害の不安や戦術核兵器使用の可能性をカードにした脅しなど、核の脅威への懸念も出ています。そうした意味でも、今回の被団協のノーベル平和賞の意義は大きいと思います。
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コメンテータープロフィール
東京生まれ。デザイン事務所勤務をへて94年よりアジアプレス所属。中東地域を中心に取材。アフガニスタンではタリバン政権下で公開銃殺刑を受けた女性を追い、04年ドキュメンタリー映画「ザルミーナ・公開処刑されたアフガニスタン女性」監督。イラク・シリア取材では、NEWS23(TBS)、報道ステーション(テレビ朝日)、報道特集(TBS)、テレメンタリー(朝日放送)などで報告。「戦火に苦しむ女性や子どもの視点に立った一貫した姿勢」が評価され、第54回ギャラクシー賞報道活動部門優秀賞。「ヤズディ教徒をはじめとするイラク・シリア報告」で第26回坂田記念ジャーナリズム賞特別賞。各地で平和を伝える講演会を続ける。
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