補足選択的夫婦別姓制度のメリットとして、姓を変えることによるアイデンティティ（自分とは何か、自分らしさとは何か）の喪失を回避できることが挙げられます。 その他、現行制度では、婚姻に際して、姓を変えることに抵抗がある人は①姓を変更するという負担をやむを得ず受け入れて婚姻をするか、または、②姓を維持するために婚姻をあきらめるという「2つの道」しかありませんが、選択的夫婦別姓制度によって、お互いに「姓を変更しない」という選択が可能となることで、躊躇なく婚姻できるということも挙げられます。
コメンテータープロフィール
1965年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、西武百貨店入社。2001年行政書士登録。専門は遺言作成と相続手続。著書に『［穴埋め式］遺言書かんたん作成術』（日本実業出版社）『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』（税務経理協会）等。家族法は結婚、離婚、親子、相続、遺言など、個人と家族に係わる法律を対象としている。家族法を知れば人生の様々な場面で待ち受けている“落し穴”を回避できる。また、たとえ落ちてしまっても、深みにはまらずに這い上がることができる。この連載では実務経験や身近な話題を通して、“落し穴”に陥ることなく人生を乗り切る家族法の知識を、予防法務の観点に立って紹介する。
