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竹村俊彦

竹村俊彦認証済み

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九州大学応用力学研究所 主幹教授

報告

解説こうした手法は、「気候工学(ジオエンジニアリング)」として知られています。大別すると2つの方法があり、1つは「二酸化炭素除去法」で、植林によって光合成の量を増加させたり、排出時や大気中から二酸化炭素を回収して地中などに貯留したりする手法が検討されています。もう1つが、「太陽放射管理法」で、その1つが、この記事で取り上げられているような、大気中に人為的に微粒子をばらまいて、太陽光を反射させて、地上に降り注ぐ太陽エネルギー量を減らすというものです。 これらの手法自体は何十年も前から検討されているものですが、SRMについては、副作用が非常に大きいです。SO2から変質して生成される硫酸塩エアロゾルは、大気汚染をもたらすPM2.5の主要成分と同じです。エアロゾルの大気中での寿命は短いため、冷却効果を維持するためには、大気汚染物質をばらまき続ける必要があり、国際的な合意はまったくできていません。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 江田健二

    RAUL株式会社代表取締役

    見解地球温暖化防止の為の新たなアプローチですが、天候を変えることの弊害は、多々あるように思います。例えば…続きを読む

コメンテータープロフィール

竹村俊彦

九州大学応用力学研究所 主幹教授

1974年生まれ。2001年に東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。九州大学応用力学研究所助手・准教授を経て、2014年から同研究所教授。専門は大気中の微粒子(エアロゾル)により引き起こされる気候変動・大気汚染を計算する気候モデルの開発。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書主執筆者。自ら開発したシステムSPRINTARSによりPM2.5・黄砂予測を運用。世界で影響力のある科学者を選出するHighly Cited Researcher(高被引用論文著者)に7年連続選出。2018年度日本学士院学術奨励賞など受賞多数。気象予報士。

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