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高山義浩

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沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科

報告

解説WHOのチームが入り、「12のサンプルのうち、10がマラリア陽性だった」とのこと。もう少し幅広に検査して調べることになりますが、現時点で「疫学データは感染者数や死亡者数の爆発的な増加を示していない」との結論になっています。 コンゴは雨期の真っ最中であり、マラリア診断キットが現地に届かなくなっていたのかもしれません。医療へのアクセスが悪くなっていることもパニックを加速したと考えられます。 ただ、それを単にパニックで片づけず、きちんと保健当局へ、さらにWHOへと伝達されたことこそが称賛されるべきでしょう。こうした「噂」への感度のよさが、新興感染症への早期対応と封じ込めへと繋がります。 ポストコロナにおいて、パンデミックへの警戒態勢が世界的に高められている証左です。これは良いことです。だからこそ、メディアはこうした噂に振り回されることなく、専門家が検証するまでは冷静に見守る姿勢が必要です。

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コメンテータープロフィール

高山義浩

沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科

地域医療から国際保健、臨床から行政まで、まとまりなく活動。行政では、厚生労働省においてパンデミック対策や地域医療構想の策定支援に従事してきたほか、現在は規制改革推進会議(内閣府)の専門委員として制度改革に取り組んでいる。臨床では、沖縄県立中部病院において感染症診療に従事。また、同院に地域ケア科を立ち上げ、主として急性期や終末期の在宅医療に取り組んでいる。著書に『アジアスケッチ 目撃される文明・宗教・民族』(白馬社、2001年)、『地域医療と暮らしのゆくえ 超高齢社会をともに生きる』(医学書院、2016年)、『高齢者の暮らしを守る 在宅・感染症診療』(日本医事新報社、2020年)など。

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