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髙岡豊

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中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

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解説「混乱」、「打撃」ということでいいとは思いますが、その一方でヒズブッラー(ヒズボラ)そのものは非常に広汎な運動で、根絶することは容易ではありません。そうした中で指揮系統だけ破壊すると、統制の取れない紛争が延々と続くことも予想されます。イスラエル・アメリカ陣営が政治的な指導や交渉、軍事的な指揮をする部分を破壊し、低い水準で「強度」を永続化させることで「戦時」も永続化させるという政策をとっているとも言えます。こうした政策は、いつまでもイスラーム過激派の「脅威」を喧伝して関係機関の活動を正当化したり、予算を確保したりするために採用されているようにもみえます。ただし、この政策の結果、9.11事件や「アクサーの大洪水」のようなとんでもない「不規則な動き」が生じることもあるでしょう。

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  • 鈴木一人

    東京大学教授/地経学研究所長

    解説もし、ネタニヤフがヒズボラをアルカイダや「イスラム国際 」のような組織だと思っているなら、指導者を殺…続きを読む

コメンテータープロフィール

髙岡豊

中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。

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