提言この問題を筆頭に、シリア紛争はSNSを通じた「紛争の実況中継」(とその技術を活用した諸当事者による自派に有利なストーリー作り)が本格的に導入された初の事例ではないかと考えているので、こうした検証的な記事はとても重要です。だからこそ、「ネットでみんなが言っている」とか「地元の人の証言」からさらに踏み込んだ実証的な取材が不可欠となりそうです。この記事にある「…との見方がある」、「…とされている」となっているところを、実証する取材と情報集めが今後進むことを期待します。これだけで終わると、既存の報道機関が日ごろ標榜する検証、確証などなどが実践されていないことになります。
コメンテータープロフィール
新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。
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