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髙岡豊

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中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

報告

解説本件について、ヒズブッラー(ヒズボラ)を含めどこからも戦果発表は出ていない模様です。敢えて「やった」と言わない、、敢えて「死傷者を出さない攻撃をする」も戦いの中でのやり取りの一つですが、ここまでこの種の行動様式を維持することにより「抵抗の枢軸」側が後手に回り続けていることも事実です。「抵抗の枢軸」陣営は、現時点でも紛争の強度を上げたり範囲を広げたりする程度が最小を0、最大を100とした場合、100からなるべく遠い選択肢を選び続けています。これまでの衝突では、諸当事者が限度をわきまえるとともに相手方から出てくるメッセージにそれなりに反応することによってエスカレーションが回避されてきました。問題は、紛争の敵方にそうしたメッセージを理解する知性が全くないことのようです。

コメンテータープロフィール

髙岡豊

中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。

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